【クイーンS 有力馬診断】ヴィクトリアマイル5着・アリスヴェリテの評価は?「見せ場を作ったことだけは立派だが…」
8月3日、札幌競馬場にて行われるG3・クイーンステークスに向けて、『競馬の教科書(オーパーツ・パブリッシング)』の著者・玉嶋亮がXアカウントで有力馬の評価を行っている。この記事では、◎候補と△候補に分けて各馬を分析し、レースの行方を占う。
◎候補馬(軸候補)
フェアエールング
福島記念は、インコースで脚を溜めて2着の内容であり、勝ったアラタに完敗だった。
さらには、2〜5着までが団子状態でゴールに飛び込んだことを考えると、恵まれたから2着に滑り込めたと分析するのが妥当である。
一方で、福島記念はハンデ重賞ながらも、さすがに牝馬限定ハンデ重賞よりはレベルが高い。
その後も小倉牝馬ステークス、福島牝馬ステークスでコンスタントに好走を続けており、メンバーレベルがほぼ同水準のクイーンステークスにおいて好走可能な水準と判断すべきである。
ココナッツブラウン
前走3勝クラスでは、2着以下に大きな差をつけ上がり最速32.8の強烈な末脚で勝利。2着は、いつオープンに上がってもおかしくないガイアメンテであったことからも、その価値は高い。
したがって、クイーンステークスにおいても、上がり最速の常連であるココナッツブラウンは、末脚がハマるようなことがあれば一発も。
クリスマスパレード
紫苑ステークスをレコードで制した快速馬。ヴィクトリアマイルでは後手を踏んでしまったが、本来は先行力がある馬。
一方で、楽に先行できなかった中山金杯等では垂れて敗戦を喫しているように、メンバー構成次第の脆さを見せる。
楽に先行できれば好走の可能性は高いが、先行争いの激化に巻き込まれるのを想定するならば 、過信までは禁物。
アルジーヌ
ターコイズステークスで重賞制覇し、今年に入っても勢いは衰えず。特に、ヴィクトリアマイルの4着は、直線で馬群の間から抜けてきて上位とは着差のない内容。
ターコイズステークスにせよ、ヴィクトリアマイルにせよ、夏競馬の面々に入れれば価値が高いレース内容。
したがって、クイーンステークスにおけるアルジーヌは、人気であっても能力最上位タイの評価をせざるを得ない。
◎候補ほか(レーゼドラマ)
△候補馬
ビヨンドザヴァレー
オープン入りしてからは、コンスタントに重賞戦線で活躍しており、ターコイズステークス2着。
ターコイズステークスは、他ポストで言及した通り、アルジーヌが強すぎたと見れば同情の余地があり、2着は例年のターコイズステークスであれば勝ちに等しい。
一方、前残りの競馬をインベタで恵まれてもなお、外を回して悠々差し切ったアルジーヌとは着差以上に大きな差がある。
したがって、重賞戦線でコンスタントに善戦していることは評価しつつも、斤量別定でアルジーヌとの再戦を強いられるクイーンステークスにおいては、恵まれても好走までの評価が妥当。
アリスヴェリテ
ヴィクトリアマイルは、大健闘と言える5着だったが、後ろにいる馬が『どうせ止まる、差せる』と放っておいた結果。人気薄で見せ場を作ったことだけは立派だが。。。
これ以上にないくらい恵まれた内容であったにも関わらず、決勝線の大きく手前でアッサリと交わされていることから、5着ほどの価値はない。
一方で、ヴィクトリアマイルでは恵まれたとは言え、見せ場を作ったのは事実であり、クイーンステークスで相手弱化の一戦であればチャンスはある。
△候補ほか(パレハ、シングザットソング、ライラック、フィールシンパシー)
【了】
プロフィール
玉嶋亮(たましま・りょう)
1985年生まれ。本業を抱え時間の制約があるため、芝オープンクラスのみにフィールドを限定している。「能力比較」「馬場読み」を中核のファクターとして、パドックや追い切り等は一切見ないスタイル。2021年凱旋門賞の単勝万馬券、2022年AJCCの三連単288万円等の的中実績がある。「単勝多点」「変則フォーメーション」「複勝チャレンジ」等多彩な馬券術に定評があり、設計回収率=130%を公言し、累計回収率=148%を記録している。旧作「競馬の教科書(ピンク本)」は、個人出版ながら異例の大ヒットを記録し、2022年11月にベストセラーの座を譲らないまま絶版した。アマチュア最強の予想屋、日本一の競馬作家になるのが目標。
▼競馬の教科書シリーズ▼
https://tamashimaryo.wixsite.com/my-site
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