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【関屋記念 有力馬診断】マイル重賞馬・イミグラントソングの評価は?秋に向け巻き返しなるか…

7月27日、新潟競馬場にて行われるG3・関屋記念に向けて、『競馬の教科書(オーパーツ・パブリッシング)』の著者・玉嶋亮がXアカウントで有力馬の評価を行っている。この記事では、◎候補と△候補に分けて各馬を分析し、レースの行方を占う。

2025年NZTを制した時のイミグラントソング
2025年NZTを制した時のイミグラントソング

◎候補馬(軸候補)

ボンドガール

昨春は桜花賞への出走が叶わず、NZT、NHKマイルカップのローテーション。秋は秋華賞2着と結果を残したが、今年は心機一転、今春は再びマイル路線へ舵を切ってリスタート。
中距離でも控える競馬が板についてきて、適性的には中距離でも問題はなさそうだが、それでもマイル路線へ。
中距離を走るということは、大阪杯、宝塚記念、天皇賞秋等で一線級の牡馬相手に戦いを挑みにいくということで、ボンドガールの番付『小結』レベルでは分が悪い。
もう少し踏み込んで言えば、京都記念やAJCCでも、『関脇』レベルの馬が出てくるから分が悪い。日本競馬で最もレベルが高いのは、2000m前後の王道路線。ピラミッドの頂点であり、非常にレベルが高い。
昨夏から秋華賞までモデルチェンジし、後方に控えて道中はストレスフリーの競馬に徹してきたが。。。
東京新聞杯では、スタートでポンと出て、馬群密度の大きい先行集団で競馬を進め、最後はウォーターリヒトの外強襲に屈したものの、力強く抜け出しての2着。
揉まれ弱さがあった馬が馬群の中で競馬を進め、それなりのメンバーが揃った東京新聞杯で好走したことを考れば高評価で良いが、阪神牝馬ステークスでは去年と同じような位置取りが後ろになって差し損ねる形で惨敗。
ヴィクトリアマイルでも同様に、武豊騎手が「掛かってしまった」とコメントをしていたものの、それを考慮しても酷い惨敗。競馬ぶりは相変わらず不安定。
したがって、能力最上位であるものの、脚質的に過信までは禁物である上に、開幕週の新潟でイン有利のトラックバイアスになった場合は、差し損ねで大波乱も。

カナテープ

前走の府中牝馬ステークスでは、他ポストの通り◎⇒△⇒◯で的中
レースでは、53kgの斤量に恵まれたとは言え、ラヴァンダやウンブライル、カニキュルに先着しての2着は立派。
前走同様、気分良く外から差す競馬であれば、斤量が54kgと見込まれずチャンスあり。

イミグラントソング

NZTでは、2歳王者アドマイヤズーム(同斤量)が先に抜け出しを図ったものの、それを外から豪快に差し切って勝利。
力勝負を挑んでの先着であり、内容的にも快勝と言える。他ポストでも言及した通り、昨年の朝日杯FSはレベル的には低調な一戦だったとはいえ、夏のハンデ重賞と比較すれば、朝日杯の勝ち馬が決して弱いわけではない。
したがって、イミグラントソングに対しては高評価が妥当である。

レガーロデルシエロ

美浦ステークスを勝ち上がるまでは、自己条件でほぼパーフェクトな成績を残しており、オープンクラスに上がるまでまったく底を見せていなかった馬。
新潟大賞典で惨敗を喫してしまったが、この日の新潟は馬場が渋っていたので同情の余地がある。
したがって、新潟大賞典で一番人気を背負った素質馬が人気急落するようであれば、馬券的には今回が狙い目である。

◎候補ほか(オフトレイル)

△候補馬

フォーチュンタイム

阪急杯では1番人気に推されたものの、好位のインに収まりながら直線での伸び脚を欠き、見せ場のないレース内容だった。
一方、秋風ステークスでトロヴァトーレを相手に食い下がっており、そのトロヴァトーレが後にダービー卿CTを制した事実は見逃せない。
マイルの重賞戦線だと、能力的にはトップクラスには見劣るが、実績面から一定の評価が可能。
関屋記念の舞台設定においては、展開とトラックバイアス次第で十分に浮上の余地がある。総合的には「条件さえ整えば通用可能な素材」として押さえておきたい。

△候補ほか(アルセナール、シヴァース、トランキリテ、ニシノスーベニア、リフレーミング)

【了】


プロフィール

玉嶋亮(たましま・りょう)
1985年生まれ。本業を抱え時間の制約があるため、芝オープンクラスのみにフィールドを限定している。「能力比較」「馬場読み」を中核のファクターとして、パドックや追い切り等は一切見ないスタイル。2021年凱旋門賞の単勝万馬券、2022年AJCCの三連単288万円等の的中実績がある。「単勝多点」「変則フォーメーション」「複勝チャレンジ」等多彩な馬券術に定評があり、設計回収率=130%を公言し、累計回収率=148%を記録している。旧作「競馬の教科書(ピンク本)」は、個人出版ながら異例の大ヒットを記録し、2022年11月にベストセラーの座を譲らないまま絶版した。アマチュア最強の予想屋、日本一の競馬作家になるのが目標。

▼競馬の教科書シリーズ▼
https://tamashimaryo.wixsite.com/my-site

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