【小倉記念 有力馬診断】重賞馬わずか2頭!混戦必至の一戦──勝利をつかむのは、果たしてどの馬か?
7月20日、小倉競馬場にて行われるG3・小倉記念に向けて、『競馬の教科書(オーパーツ・パブリッシング)』の著者・玉嶋亮がXアカウントで有力馬の評価を行っている。この記事では、◎候補と△候補に分けて各馬を分析し、レースの行方を占う。
◎候補馬(軸候補)
ショウナンアデイブ
小倉大賞典は、縦長Hペースの小倉重賞らしい展開で、ロングランよりも先に抜け出して押し切りを図る展開。
最後は小倉の鬼ロングランの強襲に屈してしまったが、小倉の勝ちパターンとしては高く評価できる悪くないレース内容だった。
また、修学院ステークスでは、3勝クラスの主シェイクユアハートを沈めており、2kgのハンデをもらっていたことを考慮すればほぼ互角。
したがって、今回はロングラン不在で56kg、シェイクユアハートを高評価できるメンバー構成であれば、ショウナンアデイブもセットで高評価が妥当。
メリオーレム
神戸新聞杯では過剰な人気を背負って惨敗した後に立て直し、前走むらさき賞で快勝してオープン入り。
むらさき賞くらい走れば、オープン特別級の小倉記念であれば十分好走可能な能力水準であり、やや人気先行型ではあるが、印を回さざるを得ない。
さらには、2勝クラスではあるものの、小倉で行われた西部スポニチ賞では外から早め進出、高いコーナリング能力を示しての圧勝で、小倉適性も高い点も見逃せない。
ディープモンスター
オープン特別をボコボコ勝っており、重賞で何度も好走している。特に、去年の小倉記念(中京開催)は、今年と同等以上のメンバー構成で、58.5kgを背負わされて前残り展開。高速決着で差してきての3着は負けて強しの内容である。
重賞を勝ってはいないが、小倉や福島のローカルであれば重賞級。末脚が持ち味なので、それが生きる展開やトラックバイアスになれば。
◎候補ほか(シェイクユアハート)
△候補馬
ラスカンブレス
前走の六社ステークスは、いつもより前目のポジションから進めてミスタージーティーを悠々差し切る快勝だった。
東京コース2400mで、序盤12.8のゆったりした流れだったことが、いつもより前目の中団ポジションを取れた要因であり、前半からペースが流れやすい小倉重賞であれば後方へ置いていかれる可能性が極めて高い。
過去のレースを見ていくと、コーナリング能力が高いとも言えず、位置取りが後ろで直線でも立ち遅れた場合、勝ち切るまではどうか?前崩れになった場合のヒモ候補まで。
ハピ
前走の新潟大賞典は、重馬場適性を求められる『パターンE』のトラックバイアスに近いコンディションだったのは事実である。
一方で、だからと言って「ダート馬だから力の要るコンディションで…」一面的な見方で片付けるべきではない。再度好走も。人気がなければ抑えて美良い。
ダンディズム
福島重賞で何度も好走したり、小倉日経オープンを勝ったりしている。得意パターンは外からマクリ上げるレース運び。
勝負どころのコーナーで距離ロスを受けながらポジションを上げられるようにコーナリング能力が高く、小回りの福島、小倉で適性が高い。
タイプ的には、能力的に小倉の鬼ロングランの小型版で、ロングランがドラえもんならば、ダンディズムはミニドラくらい。勝ち切るまでは少々厳しいが、衰えていなければ好走までなら。
△候補ほか(マイネルメモリー、スズカダブル、リカンカブール)
【了】
プロフィール
玉嶋亮(たましま・りょう)
1985年生まれ。本業を抱え時間の制約があるため、芝オープンクラスのみにフィールドを限定している。「能力比較」「馬場読み」を中核のファクターとして、パドックや追い切り等は一切見ないスタイル。2021年凱旋門賞の単勝万馬券、2022年AJCCの三連単288万円等の的中実績がある。「単勝多点」「変則フォーメーション」「複勝チャレンジ」等多彩な馬券術に定評があり、設計回収率=130%を公言し、累計回収率=148%を記録している。旧作「競馬の教科書(ピンク本)」は、個人出版ながら異例の大ヒットを記録し、2022年11月にベストセラーの座を譲らないまま絶版した。アマチュア最強の予想屋、日本一の競馬作家になるのが目標。
▼競馬の教科書シリーズ▼
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