中西友馬の予想

◎ファンダム
◯クロワデュノール
▲レディネス
△ショウヘイ
△カラマティアノス
△マスカレードボール

　2ハロン目に10秒2というハイラップを刻み、向正面ではファウストラーゼンとアロヒアリイが早めの進出。ペース以上にタフなレースとなり、先行勢には厳しい流れだった皐月賞。それに対してダービーは、過去10年のうち7年で前半1000mの通過がオークスより遅く、スローペースになることが多いレース傾向。

　皐月賞で動いたファウストラーゼンは出走するが、手替わりで戦法は不透明。再び動いたとしても連動したアロヒアリイはおらず、皐月賞で先行したピコチャンブラックやジュタ、ジーティーアダマンも不在。皐月賞とは違い、ファウストラーゼンが先頭に立ったとしてもペースが一気に上がることは考えにくい。例年のダービー傾向と今年のメンバーを照らし合わせた結果、スローの瞬発力勝負を想定。皐月賞とは異質のレース展開になるのであれば、ファンダムを狙う。

　元々マイルの新馬戦でレコード勝ちするほどのスピードタイプであるが、1Fの距離延長で迎えた前走の毎日杯は、それまでと一転して後方待機。逃げ馬に上がり33秒5でまとめられては、後方勢は手も足も出ないというのが定石だが、それを4角最後方から上がり32秒5で悠々差し切ってみせた。もちろん初距離の2400mは未知数で、皐月賞のようなタフな競馬になると分の悪さは感じる。ただ、スローの瞬発力勝負であれば距離の壁もないだろうし、皐月賞組を上回る切れ味を持ち合わせている。グレード制導入後7頭目となる、無敗のダービー馬誕生に期待する。

　相手筆頭は、皐月賞で先行勢唯一2着に踏ん張ったクロワデュノール。プリンシパルSでレース上がりを1秒5上回ったレディネスも、切れ味勝負なら台頭する。

（文●中西友馬）