【NHKマイルC 有力馬診断】2歳GⅠ馬アドマイヤズームの評価は?混戦を断ち切るのはどの馬なのか…
5月11日、東京競馬場にて行われるG1NHKマイルCに向けて、『競馬の教科書(オーパーツ・パブリッシング)』の著者・玉嶋亮がXアカウントで有力馬の評価を行っている。この記事では、◎候補と△候補に分けて各馬を分析し、NHKマイルCの行方を占う。
◎候補馬(軸候補)
アドマイヤズーム
朝日杯FSでは、スローペースを早め先頭で押し切っただけの内容であり、G1勝ち馬の看板ほど高い評価は不要。
次走のNZTでは、条件級のイミグラントソングにアッサリ先着を許しており、低レベルな朝日杯組を露呈した。
一方で、今年のNHKマイルカップには、去年のジャンタルマンタルやアスコリピチェーノのように、皐月賞と桜花賞の春クラシック上位組が不在であり、平年並みの低レベルなメンバー構成である。
したがって、今年のNHKマイルカップは、春クラシックの裏開催で『朝日杯(春)』と見れば、アドマイヤズームにもチャンスはありそう。
イミグラントソング
NZTでは、朝日杯覇者であるアドマイヤズームを相手に金星を挙げた。レース内容としては、アドマイヤズームが早い仕掛けから押し切りを狙ったところを無欲の強襲がドハマりした結果だったので、レース内容的にはほぼ互角。
今年のNHKマイルカップは、去年のジャンタルマンタルやアスコリピチェーノのようなクラシック上位組がおらず空き巣状態で平年並み。
他ポストの通り、アドマイヤズームはNHKマイルカップのメンバーで能力上位であることを考え『◎候補』であることから、イミグラントソングにも同等程度の評価が妥当。G1制覇のチャンスである。
ランスオブカオス
きさらぎ賞では、格上である皐月賞5着サトノシャイニングにはまったく歯が立たなかったものの、桜花賞3着リンクスティップとは互角の競馬を演じて3着。
さらに、チャーチルダウンズカップでは、相手のほとんどが条件級のメンバー相手だったにせよ、馬群から抜け出し楽勝。
朝日杯FSでは、アドマイヤズームと比較すると、アドマイヤズームはスローペースで抜け出し惰性で押し切っただけと見れば、まだ勝負付けは済んでいない。
したがって、安定感のある走りで好走を繰り返しているランスオブカオスには、NHKマイルカップのメンバーレベルであれば、高い評価をすべきである。
◎候補ほか(マジックサンズ、サトノカルナバル)
△候補馬
アルテヴェローチェ
サウジアラビアRCの勝ち馬。当時から道中で掛かりグセがあり、無理矢理抑え込まざるを得ないところがあって、競馬があまり上手いタイプではない。
また、朝日杯5着に加えて、シンザン記念ではリラエンブレムに、チャーチルダウンズカップではランスオブカオスに直線で着差を拡げられての敗戦であり、底を見せてしまったと分析して良い。
また、チャーチルダウンズカップでは、3着のミニトランザットにゴール前で迫られている内容もいただけない。
したがって、NHKマイルカップにおいては、差し決着となった場合のヒモ候補程度の評価が妥当である。
マピュース
クイーンカップはエンブロイダリーの2着。直線でエンブロイダリーを追いかけるも、差を縮めることはできず、逆に3着エストゥペンダに詰められた内容であり、エンブロイダリーとは大きな差がある。
さらに、桜花賞4着も上位2頭、3頭とは大きな差があり、着順ほどの価値はない低調な内容である。
桜花賞3着のリンクスティップと比較すると、リンクスティップはサトノシャイニングにきさらぎ賞で大きく水をあけられており、マピュースが桜花賞でリンクスティップにまったく抗戦できなかったことを考えると、牡馬の二軍に太刀打ちできるか?それすらかなり怪しい。当落線上。
ファルコンステークス組
・ヤンキーバローズ…①
・モンドデラトーレ…②
・パンジャタワー…③
ファルコンステークス組。クラシックやG1には縁がほとんどない1400m組であり、条件級の面々がハナ面を揃えて入線した低レベルな一戦。
ポジション取り、コース取りを考えると、レース内容的には①②③ほぼ互角。優位な差はない。
強いて言えば、中団外目から差してきたパンジャタワーが、力でねじ伏せまとめて差し切るシーンがあれば、NHKマイルカップで伏兵程度の評価はして良かったが、物足りない内容だった。
トラックバイアスと枠順を見て、内枠から好位のインに潜り込めそうな馬だけを抑えるか抑えないか?当落線上。
△候補ほか(コートアリシアン)
【了】
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<プロフィール>
玉嶋亮(たましま・りょう)
1985年生まれ。本業を抱え時間の制約があるため、芝オープンクラスのみにフィールドを限定している。「能力比較」「馬場読み」を中核のファクターとして、パドックや追い切り等は一切見ないスタイル。2021年凱旋門賞の単勝万馬券、2022年AJCCの三連単288万円等の的中実績がある。「単勝多点」「変則フォーメーション」「複勝チャレンジ」等多彩な馬券術に定評があり、設計回収率=130%を公言し、累計回収率=148%を記録している。旧作「競馬の教科書(ピンク本)」は、個人出版ながら異例の大ヒットを記録し、2022年11月にベストセラーの座を譲らないまま絶版した。アマチュア最強の予想屋、日本一の競馬作家になるのが目標。
▼競馬の教科書シリーズ▼
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