【皐月賞有力馬診断】クロワデュノールは盤石?未知の魅力エリキングら“一矢報いる可能性”を探る…
4月20日、中山競馬場にて行われるG1皐月賞に向けて、『競馬の教科書(オーパーツ・パブリッシング)』の著者・玉嶋亮がXアカウントで有力馬の評価を行っている。この記事では、◎候補と△候補に分けて各馬を分析し、皐月賞の行方を占う。
◎候補馬(軸候補)
クロワデュノール
危なげなく3戦3勝でホープフルステークスを制覇。沈めてきた相手が次々と重賞制覇。皐月賞の内容次第では、コントレイルのような無敗の三冠まで視野に入る。
エリキング
京都2歳ステークスでは、ジョバンニを相手に連勝。前評判に違わぬ危なげないレースぶりだった。盤石の内容で3連勝を決め重賞初勝利。2000mの京都2歳Sは、関西勢を中心にハイレベルなメンバーが集結。エリキングは京都2歳ステークスの時点で、クラシック戦線でも活躍できる可能性が低くないとまで言える。
クロワデュノールやマスカレードボール、一線級の相手と初めて激突するが、実はエリキングが一番強かったという可能性は十分にある。一方で、スロー少頭数のレースしか経験がないと言う意味では不安要素はある。
マスカレードボール
アイビーステークスでは、後にスプリングステークスを制するピコチャンブラックを好内容で沈めたが、ホープフルステークスでまさかの惨敗を喫した。しかしながら、後方へ置かれてしまい、どう見ても能力を出しきれず不発であったと見れば同情の余地はある。
また、近年はクラシックの登竜門として地位を上げている共同通信杯を快勝したことを考えると、ホープフルをノーカウント扱いにすれば3戦3勝。最大出力時において、クロワデュノールとの勝負付けが済んでいないと見ることもできなくはないので、世論は『クロワデュノール断然』であるものの、逆転の目があってもおかしくない。
△候補馬
ジョバンニ
ホープフルステークス2着の内容は、クロワデュノールには完敗だったものの、最も恵まれたファウストラーゼンを悠々差し切っての2着は立派。ファウストラーゼンは、後に同じような競馬で弥生賞を制していることから、ジョバンニは弥生賞勝ち、スプリングステークス勝ち以上の評価が妥当である。
一方で、クロワデュノールを逆転するにはトラックバイアス、枠順、展開の助けが必要である上に、2回対戦して全敗のエリキングもいることから、最上位よりも少しだけ評価を割り引くべきである。
サトノシャイニング
東スポ杯2歳ステークスでクロワデュノールの2着だったが、スローの単騎逃げでストレスフリーの競馬だったことを考えると、クロワデュノールの完勝だった。きさらぎ賞では、教育の一環で抑える競馬に徹して圧勝したのは前進と言えるが、2着リンクスティップ以下のメンバーレベルが低かったので、クロワデュノールを逆転するハードルは高そう。
トラックバイアスや枠順、展開バイアスの助けがなければ厳しい考えるのが妥当なので、クロワデュノールよりも下に取るべきである。
ファウストラーゼン
ホープフルステークスは、スローペースの向こう正面をマクっていって、早め先頭を惰性で押し切りにいく展開に恵まれたが、クロワデュノールとジョバンニに交わされ3着まで。弥生賞でも同じような競馬で勝利するも、メンバーはホープフルステークスよりも大きく見劣りするため、能力比較の検討資料としてはホープフルステークスを優先すべき。
したがって、ホープフルステークスで上位2頭に力負けだったことに加え、マスカレードボールやエリキング、サトノシャイニングらの強豪も控えているため、勝ち切るまでは厳しいと評価するのが妥当である。
△候補ほか(アロヒアリイ、ヴィンセンシオ、カラマティアノス、ジュタ、ピコチャンブラック、マジックサンズ)
【了】
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<プロフィール>
玉嶋亮(たましま・りょう)
1985年生まれ。本業を抱え時間の制約があるため、芝オープンクラスのみにフィールドを限定している。「能力比較」「馬場読み」を中核のファクターとして、パドックや追い切り等は一切見ないスタイル。2021年凱旋門賞の単勝万馬券、2022年AJCCの三連単288万円等の的中実績がある。「単勝多点」「変則フォーメーション」「複勝チャレンジ」等多彩な馬券術に定評があり、設計回収率=130%を公言し、累計回収率=148%を記録している。旧作「競馬の教科書(ピンク本)」は、個人出版ながら異例の大ヒットを記録し、2022年11月にベストセラーの座を譲らないまま絶版した。アマチュア最強の予想屋、日本一の競馬作家になるのが目標。
▼競馬の教科書シリーズ▼
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