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過去5年桜花賞のラップ

11秒台連発のハイレベルなマイル適性があるのは…

 直近5年のラップ構成をまとめると、後半が速いスローは22年だけ。道悪のハイペースだった20年以外は上下差が少ないイーブンペース。坂がある分、後半が少し時計を要する程度で、スタートからゴールまで一定のスピードで乗り切る力、マイル適性を求められる。

21、23、24年は、2ハロン目からゴールまで、12秒台のラップはゼロ。緊張感ある中盤、トップスピードに入る後半と全体的な速力がなければ抵抗できない。とはいえ、そんなレベルが高いマイル戦対応は3歳牝馬にとってはしんどい。ソダシ以外はすべて中団からの差し馬。極限に近い持続力が問われるからこそ、最後は差し馬の出番になる。

 改めて3番手から押し切ったソダシのマイラー資質の高さがうかがい知れる。現時点ではそこまでの能力が備わっていないからこそ、逆転が起きる。決して差し馬向きの流れではない。たとえ差し馬であっても、中団で流れに乗れる速力がほしい。

 11秒台連発のハイレベルなマイル適性。これをポイントに各トライアルのラップを調べる。

チューリップ賞 1.34.0 前半800m48.0 後半46.0(落差-2.0)
ラップ[12.6-11.2-11.9-12.3-11.8-11.3-11.1-11.8]

 桜花賞と同じチューリップ賞だが、中盤に12.3が入っており、後半が2秒も速いスローペース。好位の1着クリノメイ、3着ビップデイジーは位置取りで、2着ウォーターガーベラは最内強襲のコース取りで瞬発力勝負に対応した。ひと腰入れられた前哨戦だった。

フィリーズレビュー 1.20.7 前半600m33.2 後半600m35.8(落差+2.6)
ラップ[12.0-10.2-11.0-11.7-12.0-11.8-12.0]

 フィリーズレビューは内回り1400m戦らしいスプリント志向。今年も前半が速い前傾ラップになった。後半、時計を要したという意味ではチューリップ賞より持久力を問う競馬だったが、いかんせんスプリント色が強すぎる。11秒台連発のマイル適性という枠組みで考えると、ちょっとゴールまでもちそうにない。理想は前後半の落差±0.5前後であり、フィリーズレビューは後半がしんどい。

アネモネS 1.35.7 前半800m48.2 後半47.5(落差-0.7)
ラップ[12.3-11.7-11.9-12.3-12.2-12.2-11.5-11.6]

 落差でいえば悪くないが、やはりアネモネSはワンランク落ちる。3、4コーナーで12秒台が3連続で入っており、後半の速力を溜めさせた。ここを11秒台後半で突っ切られては、最後に脚が使えるどうか。今年も苦戦を強いられそうだ。

 スローのチューリップ賞、速すぎるフィリーズレビュー、レベルダウンのアネモネSと前哨戦は桜花賞の理想とするゴールまで11秒台を続けるマイル志向とは違う。やはり阪神JF好走組が中心になるのか。割って入る可能性があるとすれば、非トライアルではないか。

フェアリーS 1.32.8 前半800m45.5 後半47.3(落差+1.8)
ラップ[12.4-10.6-11.1-11.4-11.8-11.8-11.7-12.0]

 1月フェアリーSは落差でいえば、やや前半が速すぎる競馬だったが、ラスト200m以外のレースラップは桜花賞で求められる形に近い。くわえて勝ったエリカエクスプレスはこの流れを3番手から押し切った。スピードの持続力は魅力にうつる。今年の1回中山マイルはハイレベルな競馬が多く、ジュニアC1.33.5は桜花賞そっくりのラップ構成だった。ファンダムは毎日杯を勝ち、モンドデラモーレはファルコンS2着と春戦線でしっかり残っている。フェアリーSもこの流れに続けるだけのラップ構成だった。

クイーンC 1.32.2 前半800m45.7 後半46.5(落差+0.8)
ラップ[12.3-10.8-11.1-11.5-11.5-11.5-11.6-11.9]

 クイーンCは例年、スローの瞬発力勝負が定番だが、今年はちがう。2ハロン目からゴールまでのラップ構成は桜花賞に極めて近い。最後に少し時計を要するところまで似ており、2番手から押し切ったエンブロイダリーの持続力は評価しないといけない。基本、時計が速い東京なので、全体時計は参考程度でいいが、中盤3連続で刻まれた11.5は目を見張るものがある。

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