キーポイントは馬番と位置取り

1~3着馬の脚質をみても、4コーナー二桁は24年3着ルージュエヴァイユだけ。上記の通り24年は超がつくほどロングスパートであり、中団から差す馬も苦しかった。通過順をみても、逃げ先行優勢は明らかで、差すなら3コーナーから動ける機動力がほしい。
ひと桁馬番の活躍も目立ち、基本は真ん中より内側がいい。外枠で馬券に絡んだクロノジェネシス、レイパパレ、スターズオンアース、ダノンザキッドはGⅠ馬であり、確固たる実績がないと克服できない。例外のルージュエヴァイユは上記の事情が影響してのもの。基本はひと桁馬番でないと厳しい。
また直近5年で牝馬が必ず一頭馬券に絡んでいる。内回りとはいえ、2000mという中距離カテゴリーでもスピードも試される舞台であるため、体力で劣る牝馬もスピードで対抗できる。今年はステレンボッシュとラヴェルの2頭。単純にこの2頭のうちどちらかを軸にすえてもいい。
流れをつくるだろうデシエルトは金鯱賞でも折り合いを欠いており、前進気勢が強い。ハイペースまであるかもしれない。またデシエルトはゴールまで粘り切る力を十分もっており、ライバルたちも楽な逃げには持ち込ませない。早めに捕まえる場面は想定でき、やはり今年も超ロングスパートの競馬になるだろう。
21年から4年連続で前走2000mが2着以内に入っている。それも9着以内3-3-0-11と幅が広い。溜めるイメージの中距離のなかでも、溜めているうちに差し遅れてしまうのも大阪杯。2000m経由は強みだ。金鯱賞経由のホウオウビスケッツ、キングズパレス、デシエルト、ラヴェル。このなかで位置取りからホウオウビスケッツ、デシエルト。京都内回りで強烈な決め手を繰り出したラヴェルは妙味がある。
とはいえ金鯱賞は道悪での競馬であり、消耗戦だった点が気になるところ。超ロングスパートに近い競馬だったのは中山記念とAJCC。中山記念は2ハロン目からゴールまですべて11秒台を記録。開幕週で絶好の馬場だったことを踏まえると、AJCCの残り1000m11.9-11.7-11.3-11.8-12.2は大阪杯のイメージに近い。
コスモキュランダは中山以外で好走がなく、だったらボルドグフーシュか。長期休養前に菊花賞2着、阪神大賞典2着と阪神実績は問題なし。シックスペンスとの人気差を考えれば、ボルドグフーシュは面白い。1年7カ月の休養後、2度使われて4、4着。能力の元値の高さを示した。2走の馬体重は16キロ増から10キロ減。3戦目のここは走りごろではないか。デシエルトが引っ張って、耐久力を問うレースになっても、長距離実績で対応できる。
【了】
(文●勝木淳)
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