【高松宮記念 考察】今年は良馬場開催となるか? 速い時計に対応できるスプリンターは?
過去5年すべて道悪で行われてきた高松宮記念。今年は久々に良馬場が見込まれ、例年以上に持ち時計と先行力が問われる一戦になりそうだ。良馬場で結果を出してきた実力馬を、データから導き出す。

人気どころから穴馬まで全6頭をピックアップ
今週から、いよいよ春のG1シリーズが開幕となる。その第1弾を飾るのは、春のスプリント王決定戦、高松宮記念。今年も豪華メンバーが揃い、注目の一戦となることは間違いない。
しかし、そんなスピード自慢が集結する一戦にも関わらず、過去5年の優勝タイムの平均は、1分09秒3。同じスプリントG1であるスプリンターズSの平均が1分07秒6であることを考えると、1秒7も遅いこととなる。
こうなっている最大の要因は、馬場状態。過去5年全て良馬場で行われているスプリンターズSに比べて、なんと高松宮記念は過去5年全て、重or不良。もはや呪われているんじゃないかというぐらい雨に祟られているレースなのである。
トップスプリンターが集まるレースなので、せっかくならば綺麗な馬場でそのスピードを堪能したいもの。すると幸いにも、天気予報を見たところ、今年の雨は金曜には上がり、土日は晴れ間が覗くとの予報。
今年は6年ぶりの良馬場で開催されると仮定(この天気予報が外れる可能性もなくはないが…笑)し、データを集めてみた。
中京競馬場がリニューアルされた2012年以降、高松宮記念は13回行われているが、そのうち良馬場で行われたのは5回。その5回で勝利した馬5頭について調べたのがこちら。
・カレンチャン(2012年)
持ち時計1分07秒4 前走4角6番手
・ロードカナロア(2013年)
持ち時計1分06秒7 前走4角5番手
・ビッグアーサー(2016年)
持ち時計1分06秒7 前走4角10番手
・ファインニードル(2018年)
持ち時計1分07秒1 前走4角2番手
・ミスターメロディ(2023年)
千二未経験 前走4角4番手
するとイメージ通り、やはり速い時計に対応できる馬が多いという結果が浮かび上がる。2019年の勝ち馬ミスターメロディこそ芝1200m未経験だったが、それ以外の6頭は全て、1分07秒5より速いタイムでの勝利経験があった。
また、前走の位置どりに注目すると、2016年の勝ち馬ビッグアーサー以外の6頭は、前走4角6番手以内。やはり後手に回ってしまう可能性が高い馬よりも、前々で進められる馬を積極的に狙っていきたい。
ということで、今年の出走馬の中から、1分07秒5より速いタイムで勝利経験があり、前走4角6番手以内の馬をピックアップ。なお、昨年の香港スプリントに出走した3頭は4角通過順の公式発表は見つけられなかったが、映像を見る限り、3頭ともに4角6番手以内ではないと判断した。
・キタノエクスプレス
持ち時計1分07秒0 前走4角4番手
・ビッグシーザー
持ち時計1分07秒4 前走4角3番手
・ペアポルックス
持ち時計1分07秒2 前走4角1番手
・マッドクール
持ち時計1分06秒9 前走4角3番手
・ママコチャ
持ち時計1分07秒1 前走4角3番手
・モズメイメイ
持ち時計1分07秒1 前走4角2番手
今年の出走馬では、上記の6頭が該当。人気どころから穴馬まで、バランスよくピックアップできた印象を受ける。
この中でもなお、持ち時計と先行力を判断材料とし、順序づけした印を文末に載せているので、ぜひ参考にしていただけると幸いである。
そして最後にもうひとつ付け加えると、圧倒的な力を誇ったロードカナロア以外の勝ち馬4頭は、1〜5枠を引いていた。明日発表の枠順を見て、6〜8枠を引いた馬は一枚割り引いて考えたい。
◎マッドクール
○ママコチャ
▲ペアポルックス
△キタノエクスプレス
△ビッグシーザー
△モズメイメイ
【了】
(文●中西友馬)
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