過去5年のデータからみえる好走パターンは?
芝スタートでダッシュがつきやすく、3コーナーまでは400m近くあり、わずかに下りながら入るコーナーも緩く、直線は501.6m。東京ダート1600mは他場とはまるで違う。したがって東京なら走るという東京巧者がいる。この東京適性、とくに東京ダート1600mの成績は近年のフェブラリーSでは非常に重要になってくる。
■過去5年の勝ち馬東京成績(通算)
モズアスコット4-0-0-3(ダ2-0-0-1)
カフェファラオ4-0-0-2(ダ1600/4-0-0-0)
レモンポップ8-1-0-0(ダ1600/2-1-0-0)
ペプチドナイル2-1-0-1(ダ2100/1-1-0-1)※現役 25年フェブラリーS前
東京で複数勝利をあげること。これが東京巧者の条件ではあるが、フェブラリーSとなると、ワンランク上の成績が求められる。つまり、東京での着外が極めて少ないこと。さらにダート1600mでの成績が完璧に近いことが求められる。上記の通り、最近はスタートからゴールまで一定のスピードで走らないと勝てない。例外は超ハイペースの昨年だが、その勝ち馬ペプチドナイルは東京ダート2100mの成績がよく、マイル以上をこなすスタミナを求められた。そうであっても東京実績があったペプチドナイルが勝った。
東京ダートで複数勝利、かつ着外が少ないとなると、
エンペラーワケア2-1-0-0
コスタノヴァ5-0-0-0
ペプチドナイル2-1-0-1
次点ガイアフォース0-1-0-0(昨年2着)
■過去5年のデータからみえる好走パターン
前走東京ダート2着以内2-1-1-1
前走チャンピオンズC6着以下2-1-1-4
前走東京は正位置(着順がいい馬を評価)、中距離は逆位置(着順が悪い馬を評価)とわかりやすく東京適性を示す。次点を含め上記4頭はこのデータに合致しており、今年は昨年と比べると、かなりわかりやすい状況にある。
問題はエンペラーワケアとコスタノヴァの力関係。2頭は昨年の欅Sで一度だけ対戦がある。
2024年欅S 東京ダ1400
1着コスタノヴァ 57キロ
2着エンペラーワケア 59キロ 着差1馬身1/4
斤量2キロ差で、ほぼ同じ位置から上がり600m34.8VS.35.0でコスタノヴァに軍配。どちらも2月東京以来の競馬で状況も似ていたが、斤量はコスタノヴァが前走比1キロ減、エンペラーワケア3キロ増で、2頭の斤量差は2キロだった。今回は前走比1キロ増の同斤と条件は互角。5歳ロードカナロア産駒まで同じ。だが、母系はエンペラーワケアが母の父カーリンで米国ミスプロ系。コスタノヴァは母の父ハーツクライで、母系はサンダーガルチなど米国血統が入る。末脚で勝敗が決するなら、コスタノヴァ。これより前につけ、アドバンテージをつくれればエンペラーワケアにも勝機がある。サンデーファンデーが単騎で逃げるなら、超ハイペースはない。例年通りのフェブラリーSなら、エンペラーワケアがしのぎきれる。
◎エンペラーワケア
○コスタノヴァ
△ペプチドナイル、ガイアフォース
がんばれサンデーファンデー。
【了】
(文●勝木淳)
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