【2025サウジカップ 展望】初ダートのロマンチックウォリアーが出走!その他の海外有力馬情報も
今週末は、国内でも今年初のG1となるフェブラリーSが行われるが、遠く離れたサウジアラビアの地では、サウジカップナイトが開催される。日本からは、メインのサウジカップを含む6レースに、総勢17頭が出走を予定。サウジアラビアはイスラム圏であるため、サウジカップを含めた全てのレースで馬券の発売は行われないが、日本では、今年もメインのサウジカップのみ馬券発売が決定している。そこで今回は、日本で馬券が発売されるサウジカップについての展望を行う。日本勢に関しては皆さんよく知っていると思われるので、そのライバルとなりそうな海外馬たちを中心に紹介していく。
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フォーエバーヤング対ロマンチックウォリアーという夢の対決が実現
今年のサウジカップは、海外の有力各馬に回避が相次いだ。
一昨年のBCクラシック覇者で、今年のペガサスWCも勝利していたホワイトアバリオ、昨年のBCクラシックでフォーエバーヤングを3着に下して勝利したシエラレオーネ、昨年のドバイWCでウシュバテソーロを8馬身半ちぎってみせたローレルリバーの3頭が、出走を回避。
いずれも今回出走している日本馬を下してG1制覇を果たしており、出走なら有力候補になることは間違いなかった馬たち。この3頭がいなくなったことで、観る側としては楽しみが減ったことも事実だが、日本馬が勝利するチャンスは俄然大きくなってきた。
その中で、海外のブックメーカー各社が揃って1番人気に支持したのが、日本馬のフォーエバーヤング。ここまで9戦7勝で、敗れた2戦はケンタッキーダービーとBCクラシックの3着という、ひと昔前の日本馬では考えられないような次元で活躍を見せている。さらに、その2戦で先着を許しているシエラレオーネが出走を回避したことで「負けるわけにはいかない」という立場となっている。
そのフォーエバーヤングの最大のライバルとなりそうなのが、日本の競馬ファンなら知らない人はいないであろう、香港最強馬ロマンチックウォリアーだ。これまで23戦18勝の成績で、現在8連勝中。地元シャティン競馬場だけでなく、豪州や日本、ドバイへと遠征を行っての8連勝は非常に価値がある。
日本で出走した安田記念も、本質的には少し短いと見られたマイルの舞台で日本勢をまとめて撃破してみせた。JRA賞の最優秀マイラー部門でも、得票率25%以上にあたる66票を獲得。受賞こそならなかったが、日本のファンに与えた衝撃はかなりのものであった。
そんなロマンチックウォリアーだが、今回の注目ポイントはなんと言っても初ダート。今回の結果に関わらず、既に次走はドバイターフと発表されているので、ダートでの走りを見ることができるのは、おそらく今回が最初で最後となりそう。
これだけの実績を残している馬だけに、大敗するリスクを冒してわざわざダートを使う必要などないと考えるのが自然な考え方。それでも陣営が出走に踏み切ってくれたことで、フォーエバーヤングvsロマンチックウォリアーという夢のような対戦を見ることができる。いち競馬ファンとして、まずはその英断に感謝したい。
そして実際の勝算としても、キックバックの少ないサウジのダートは、アメリカやドバイのダートと比べれば、芝馬でも走りやすいとのこと。実際2年前には、芝を主戦場にしていた日本馬パンサラッサが勝利を挙げている。
これまで幾度となく日本馬の前に立ち塞がってきたロマンチックウォリアーが、再び日本勢をまとめて撃破するシーンも十分に考えられる。
大将格となるはずの米国勢が相次いで回避となったが、ロマンチックウォリアー以外にも海外勢の有力馬は多数。それらも順に紹介していく。
昨年のBCクラシックで出走取消の憂き目を見た後に重賞を連勝。前哨戦を制して勢いに乗る、米国馬ラトルンロール。昨年のドバイターフ覇者で、芝での実績は十分。初ダートとなった前走のドバイG1でも3着と好走した、仏国馬ファクトゥールシュヴァル。そのドバイG1でファクトゥールシュヴァルを3着に下して快勝。見事にG1初制覇を飾った、UAE所属ウォークオブスターズ。
ブックメーカー各社の評価を見ていると、フォーエバーヤングとロマンチックウォリアーの力が抜けており、3番手以降は今紹介した3頭にウシュバテソーロ、ウィルソンテソーロ、ラムジェットの日本馬3頭を加えた団子状態、といった見立てとなっている。
パンサラッサが勝利した2年前と比較すると、同じ1000万ドルにも関わらず、為替レートの影響でなんと2億円以上も価値が高騰している1着賞金。その1000万ドル(約15億7000万円)をどの馬が手にするのか。
メインのサウジカップは、2月22日(土)の26時40分発走予定。2年ぶりの日本馬勝利を祈って、日曜の1レースは前日発売で買い、土曜は夜ふかししてしっかりと目に焼きつけたい。
【了】
(文●中西友馬)
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