今週の中央競馬には、「ゴルシ」の愛称で知られ、現役時代にG1を6勝した名馬ゴールドシップの産駒が、合計12頭出走する予定だ。破天荒な性格でファンを魅了したゴルシの血を受け継ぐ仔たちが、どんな走りを見せるのか注目したい。

21日(土)の中山10Rで行われる国内障害競走の最高峰、中山大障害（J･G1、障害4100m）にマイネルグロン（牡6、美浦・青木孝文厩舎）が連覇をかけて出走する。

昨年10馬身の大差をつけて圧勝し、最優秀障害馬にも選ばれたマイネルグロン。障害入り後は、今年3月の阪神スプリングジャンプ（J･G2、障害3900m）まで5連勝を含む12戦6勝の戦績を誇る。

しかし、単勝オッズ1.1倍の断然人気に支持された4月の中山グランドジャンプ（J･G1、障害4250m）で、まさかの6着に敗れ連勝はストップした。レース後に右前深屈腱炎が判明して休養入り。前走の復帰戦では約3年1か月ぶりとなる平地レースに出走したが12着だった。

そのマイネルグロンは11月23日に短期放牧から帰厩し、美浦トレセンで順調に調整されている。ひと叩きされた今回は、“本職”での本領発揮に期待したい。

22日(日)に行われる年末グランプリの有馬記念に出走を目指していた重賞2勝の3歳馬メイショウタバル（牡、栗東・石橋守厩舎）は、ファン投票で30位だったため、賞金順に回り補欠対象となっていた。回避馬は出ずに除外となり、3歳にして同レース優勝を果たした父に続くことは叶わなかった。

そのほか、21日の中山11R・グレイトフルS（3歳以上3勝クラス、芝2500m）に前走楽勝したヴェルミセル（牝4、栗東・吉村圭司厩舎）が出走。22日の京都10R・サンタクロースS（3歳以上3勝クラス、芝2000m）には、2走前の新潟牝馬S（L）2着が光るエリダヌス（牝4、美浦・青木孝文厩舎）が出走する。

先週のゴールドシップ産駒は、15日(日)の中山10R・北総ステークス（3歳以上3勝クラス、ダート1800m）にマンマリアーレ（牝4、美浦・高木登厩舎）が出走し、2着に好走した。

単勝オッズ5.1倍の2番人気に支持され、互角のスタートから道中は8、9番手を追走した。鞍上が終始追っつけ気味の手応えで、最終コーナーでは10番手にまで位置どりを下げる。

しかし直線で外に持ち出されると力強い伸び脚を発揮。最後まで脚勢を保ったままよく追い込んだが0秒2差及ばなかった。

また先日、2025年度のゴールドシップの種付け料が、今年の250万円から150万円増となる400万円（受胎条件）に設定されたことが、繋養されているビッグレッドファームから発表された。

ゴールドシップは、2016年に300万円の種付け料でスタッドインした。19年には250万円となり、翌年は再び300万円に戻したものの、21年からは3年連続で200万円となっていた。

昨年の暮れにマイネルグロンが中山大障害を楽勝し、最優秀障害馬に輝いた。そして今年はメイショウタバルが神戸新聞杯（G2）と毎日杯（G3）を制し、3歳牝馬のコガネノソラはクイーンS（G3）を勝つなど産駒たちの活躍が目覚ましい一年となった。

メイショウブレゲやフェアエールング、マイネルメモリーなどOPで活躍する仔も続々と生まれている背景も、種牡馬10年目となる来年度の種付け料増額につながった要因だろう。父譲りの大物級牡馬の登場が待たれるが、一頭でも多くの魅力的な産駒の誕生をファンは心待ちにしている。

【了】

（文●TOM）

2024年12月21日（土）

2024年12月22日（日）

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