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ドウデュース、秋古馬三冠へ。テイエムオペラオー、ゼンノロブロイに続き史上3頭目の快挙目指す

text by 中西友馬
Do Deuce
天皇賞(秋)を制したドウデュース

 クラシック三冠と違い、正式名称ではない「秋古馬三冠」。

 しかし競馬ファンであれば誰しも、三冠がどのレースを指すかは分かることであろう。天皇賞(秋)、ジャパンカップ、有馬記念。この3レースをまとめて「秋古馬三冠」と呼んでおり、ひと昔前までは中長距離を主戦場にしている馬たちにとって、この3レースが下半期の最大目標であった。

 しかし近年は、凱旋門賞や香港など選択肢が多様化。さらには国内専念であっても、レース間隔が詰まるのを嫌って、3戦全てには出走しないという考え方も主流となってきた。そのため、「秋古馬三冠」を達成したのは過去に2頭のみ。牡馬のクラシック三冠馬が8頭、牝馬のクラシック三冠馬が7頭いるのと比較すると、かなり少ない。

 そして、その達成した2頭は、2000年のテイエムオペラオーと2004年のゼンノロブロイ。2頭目のゼンノロブロイが達成してから既に、20年が経過している。しかしその間に、決してスターホースがいなかったわけではない。ディープインパクトやアーモンドアイ、イクイノックスなどは、3レースのうち2つを勝利したが、残りの1レースにはそもそも出走しなかった。

 その点で言うと、近年で一番「秋古馬三冠」に近づいたのは、2017年のキタサンブラックかもしれない。逃げ馬にとって致命的な出遅れを、インコースからスルスル浮上して挽回した天皇賞(秋)、後続に影を踏ませぬ走りでラストランを飾った有馬記念では勝利を収めたものの、ジャパンカップでは同世代のシュヴァルグランに屈しての3着。2004年のゼンノロブロイ以降、3戦全てを皆勤して、2勝を挙げたのはキタサンブラックのみである。

 そしてこのキタサンブラックの主戦を務めていた武豊騎手は、それ以前に一度「秋古馬三冠」達成に大きく近づいていた。それが、1999年のスペシャルウィークであった。テイエムオペラオーが史上初となる「秋古馬三冠」を達成する前年に、スペシャルウィークは天皇賞(秋)とジャパンカップを連勝、「秋古馬三冠」に王手をかけていた。しかしその有馬記念は、皆さんご存知の通り、グラスワンダーとハナ差の2着。わずか4センチ差で「秋古馬三冠」達成はならなかった。

 そんな武豊騎手とのコンビで天皇賞(秋)とジャパンカップを連勝し、20年間開かなかった歴史の扉に手をかけているのが、今回のドウデュースだ。

 史上3頭目の「秋古馬三冠」を達成し、有終の美を飾ることができるのか。今年の有馬記念は注目の一戦となる。

【了】

(文●中西友馬

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