【12/14-15新馬戦】オーヴァルエース産駒ペイシャヴァルツーが2着に9馬身差をつけて快勝デビュー
先週の中央競馬は、中山・京都・中京の3会場で行われ、新馬戦は9鞍行われた。
14日(土)の京都ダート1200mでは、3戦3勝のまま引退し、種牡馬入りしたオーヴァルエース産駒のペイシャヴァルツーが2着に9馬身差をつける快勝でデビュー戦を勝利した。また、15日(日)の京都芝1600mでは、サラスとシャムロックヒルを半姉に持つノクナレアがデビュー戦を勝利で飾っている。デビュー戦その他の新馬戦を含めて全レースをダイジェストで紹介する。
12/14(土)
【中山】
5R 芝2000m
馬名:トリプルコーク(牡)
父:キタサンブラック
母:トゥーピー
母父:インティカブ
騎手:C.ルメール
厩舎:黒岩陽一(美浦)
馬主:サンデーレーシング
生産:ノーザンファーム
勝ち時計:2.01.0(良)
最内枠からスタート直後に内に寄れたが、好位の後ろあたりのポジションを確保。前半の1000m通過は62秒0。平均やや遅めのペースを好位の内で我慢させると、最後の直線では先行勢の外へと持ち出す。先に抜け出した3着馬を目標に伸びると、残り100mを切ったあたりで前を捕えての勝利。半兄にダービー2着のサトノラーゼンがいる血統馬で、まだまだ伸びしろがありそうだ。
6R ダ1800m
馬名:ワンカードフェロー(牡)
父:アメリカンファラオ
母:ワンカードトゥーメニー
母父:ドロッセルマイヤー
騎手:C.ルメール
厩舎:嘉藤貴行(美浦)
馬主:嶋田賢
生産:岡田牧場
勝ち時計:1.57.0(良)
好スタートを決めると、外枠からスッと好位の外めを確保。前半1000mの通過は64秒9と、新馬にしてはほぼ平均ペースといったところ。4角手前でまくるように上がってきた2着馬に併せるように先頭へと並びかけると、直線では2頭の激しい追い比べ。最後は3着馬も猛追してきて、ゴール前では接戦となったが、この争いを制して新馬勝ち。着差はわずかだが、4着以下は5馬身引き離しており、勝ち時計も水準級。この父なら、もう少し軽いダートのほうが良さが出る可能性もある。
【京都】
5R 芝2000m
馬名:メディテラニアン(牡)
父:サートゥルナーリア
母:ミカリーニョ
母父:ハーツクライ
騎手:坂井瑠星
厩舎:池江泰寿(栗東)
馬主:モンレーヴ
生産:ノーザンファーム
勝ち時計:2.02.6(良)
タイミングは良かったが、少しアオり気味のスタート。それでも好位にポジションを取ると、前半1000mの通過は62秒1とやや遅めの流れ。道中でポジションの入れ替わりはあるぐらい一団の馬群で、直線入り口では馬群の一番外から早くも先頭へと並びかける。残り200mで抜け出し、押し切りを図るところに後方待機の2.3着馬が迫ったがそれらの追撃をしのいで勝利。早めに動かしたにも関わらず、ラストまで加速しているラップは好感が持てる。阪神JF4着のショウナンザナドゥが叔母にいる血統で、ともにクラシックを賑わせる存在になるか注目だ。
6R ダ1200m
馬名:ペイシャヴァルツー(牝)
父:オーヴァルエース
母:ペイシャネガノ
母父:サウスヴィグラス
騎手:団野大成
厩舎:吉田直弘(栗東)
馬主:北所直人
生産:友田牧場
勝ち時計:1.13.2(良)
バラついた飛び出しの中で、1頭抜けたダッシュ力で一気にハナを切る。前半の600mが36秒4と決して速くないながらも、馬群はかなり縦長。そのまま直線に入ると、一気に後続を引き離して独走状態。最後は2着馬に9馬身の差をつける圧勝であった。同日1Rの未勝利戦と比較すると、前半が0秒9遅いながらも、勝ち時計は1秒上回る優秀なもの。現役時代3戦3勝と無敗で引退することとなった新種牡馬オーヴァルエース産駒のJRA初勝利は、ド派手な勝ちっぷりであった。
12/15(日)
【中山】
5R 芝1600m
馬名:アルメントフーベル(牝)
父:サートゥルナーリア
母:アメリ
母父:ディストーテッドヒューマー
騎手:T.マーカンド
厩舎:宮田敬介(美浦)
馬主:サンデーレーシング
生産:ノーザンファーム
勝ち時計:1.35.1(良)
スタートはあまり速かったわけではなかったが、二の脚を利かせ、逃げた馬の直後を確保。前半の800m通過は48秒5という緩いペースで進み、直線入り口では早くも先頭に並びかける。残り200mあたりで逃げ馬を競り落とすと、後続の追い上げも封じて勝利。急坂のある中山でも最後までしっかりと伸びているラップは価値があり、先週の新馬戦より1秒6速い勝ち時計も上々だ。一方、勝ち馬と人気を分けたモディスフォントは、出遅れから終始外々を回らせられての3着。先行馬が上位を独占する展開で、後方から脚を使っての3着は能力の証。初勝利は近いだろう。
6R ダ1200m
馬名:サヨノジャンボリー(牡)
父:モーニン
母:ゴーゴーサンデー
母父:キングカメハメハ
騎手:内田博幸
厩舎:小笠倫弘(美浦)
馬主:吉岡泰治
生産:五丸農場
勝ち時計:1.13.1(良)
あまり良いスタートではなく、芝部分では鞍上が押してもダッシュがつかない印象。中団後方寄りからの競馬となるが、前半600mの通過は34秒8と、新馬戦にしては活気のある流れ。直線入り口でもまだ中団だったが、直線では2着馬と併せ馬の形で前を猛追。豪快な差し切り勝ちで新馬勝ちを収めた。序盤の運びなどを見ていると、まだ気性面に幼さがあり、その辺りは今後の課題。ただ、そのぶん伸びしろがあるとも言え、今後の成長が楽しみだ。
【京都】
5R 芝1600m
馬名:ノクナレア(牝)
父:ミッキーアイル
母:ララア
母父:タピット
騎手:松山弘平
厩舎:今野貞一(栗東)
馬主:社台レースホース
生産:社台ファーム
勝ち時計:1.37.6(良)
五分のスタートから、中団前めのポジションを確保。前半800mの通過が50秒6というかなりのスローペースで進み、馬群は一団。先行集団を前に見る位置で直線に向かうと、直線も外には出さず、馬群の間を抜けてくる形で差し切り勝ち。サラスとシャムロックヒルという、2頭のマーメイドS覇者を半姉に持つ血統馬。血統面だけでなく、ラストまで加速しているレースラップからも、中距離までは十分保ちそうだ。
6R ダ1800m
馬名:ショーダンサー(牡)
父:シニスターミニスター
母:カマクラ
母父:シンボリクリスエス
騎手:国分優作
厩舎:大根田裕之(栗東)
馬主:吉冨学
生産:ゼットステーブル
勝ち時計:1.54.8(良)
スタートは五分だったが、行き脚がつかずに中団後方寄りという位置どり。前半1000mの通過は63秒3という、ほぼ平均ペースで進むと、4角入り口では先行集団を射程に入れる位置まで浮上。直線では外を鋭く伸び、一旦先頭へと立った2着馬を、残り200mで交わして先頭。そのまま押し切って勝利を収めた。9番人気と伏兵評価であったが、フロックとは思えない鮮やかな勝利。勝ち時計も同日未勝利2鞍より速く、クラスが上がっても楽しみが持てる内容であった。
【中京】
5R 芝1400m
馬名:ホーリーブラッサム(牝)
父:ロゴタイプ
母:ホーリーシュラウド
母父:ケープクロス
騎手:団野大成
厩舎:斉藤崇史(栗東)
馬主:ホシノレーシング
生産:富田牧場
勝ち時計:1.23.0(良)
スタートはあまり速いほうではなかったが、内枠からダッシュを利かせてハナを切る。ペースは特に速かったわけではないが、馬群はかなり縦長。そのまま直線に向かうと、逃げ脚が衰えることはなく、むしろ後続を引き離す。最後までセーフティーリードを守り切って、2馬身半差の快勝を収めた。レース自体は完勝だったが、楽に逃げられた印象は多分にある。勝ち時計も平凡で、次走以降に競り込まれたり、ハナを切れなかった場合、どういうレースができるか試金石となる。
【了】
(文●中西友馬)
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