今週の中央競馬は、中山・京都・中京の3場開催。中山競馬場と中京競馬場では、今週が開幕週となる。ダートの頂上決戦チャンピオンズカップを含む、3鞍の重賞が組まれている。

　1日(日)には、中京競馬場でチャンピオンズカップ(GⅠ・ダ1800m)が行われる。

　注目は、今回が引退レースとなることが発表されているレモンポップ(牡6、美浦・田中博康厩舎)。

　国内のレースでは15戦して未だ連対を外しておらず、国内のG1級レースでは5戦5勝。昨年のこのレースでは、距離が不安視される声のあった中、逃げ切って勝利した。引退レースとはいえまだまだ力の衰えは感じられず、連覇で有終の美を飾りたい。

　昨年のチャンピオンズカップで、12番人気ながらレモンポップの2着に健闘したのがウィルソンテソーロ(牡5、美浦・小手川準厩舎)。

　今年に入ってからはドバイWCで4着、コリアカップで2着など海外遠征でも安定した成績を収め、前走のJBCクラシックで悲願のG1級初制覇。この勢いに乗って昨年のリベンジを狙う。

　またマイルCS南部杯でレモンポップと一騎打ちを演じたのがペプチドナイル(牡6、栗東・武英智厩舎)。

　今年のフェブラリーSでは、11番人気の低評価を覆して勝利。その後もG1級のレースで安定した力を発揮した。中央の軽い馬場のほうが良さが出るタイプにも思え、レモンポップを逆転するシーンも十分考えられる。

　あとは、色々な面でレモンポップ以上に注目を集めているといっても過言でないのが、デビューから5戦5勝のヤマニンウルス(牡4、栗東・斉藤崇史厩舎)。

　重賞初挑戦となった前走のプロキオンSでも3馬身差の快勝。体質面からなかなか間隔を詰めて使うことはできないが、素質は十分といえる。あとは、現在次点となっている出走順が回ってくるかどうか。鞍上配置も含めて注目の存在である。

　30日(土)には、中山競馬場でステイヤーズステークス(GⅡ・芝3600m)が行われる。

　注目は、前走の京都大賞典で重賞初制覇を飾ったシュヴァリエローズ(牡6、栗東・清水久詞厩舎)。

　その京都大賞典は、重賞ウイナー5頭を相手に8番人気の低評価を覆しての勝利。大混戦のゴール前で重賞4勝馬ディープボンドを競り落とす強い内容であった。距離に関しては未知ではあるが、勢いに乗って重賞連勝を目指す。

　その京都大賞典で3着だったのが、メイショウブレゲ(牡5、栗東・本田優厩舎)。こちらも3600mは初となるが、3000mの万葉Sを勝利しており、距離適性に関してはシュヴァリエローズより計算できる印象。この舞台なら逆転も十分考えられる。

　さらに距離適性を重視するなら、昨年覇者のアイアンバローズ(牡7、栗東・上村洋行厩舎)。ステイヤーズステークスは4年連続での出走となり、過去3年は②④①着。8ヶ月ぶりの実戦とはなるが、この舞台への適性では右に出る者はいない。

　また同日の京都競馬場では、チャレンジカップ(GⅢ・芝2000m)が行われる。

　注目は、天皇賞(春)以来の実戦復帰となるボルドグフーシュ(牡5、栗東・宮本博厩舎)。

　昨年の菊花賞と有馬記念で2着となった実績は、ここでは断然。怪我明けで7ヶ月ぶりの実戦となると初戦から万全とはいかないだろうが、年内は休養という報道もあった中で復帰に踏み切ったのは、それだけリハビリが順調に進んでいるとも考えられる。

　好発進を決めて、来年のG1獲りに繋げられるか。前走のエリザベス女王杯で12番人気の低評価を覆して2着に好走したラヴェル(牝4、栗東・矢作芳人厩舎)。

　そのエリザベス女王杯は長かったスランプを脱したことを印象づける走りで、リバティアイランドを破った2歳時のアルテミスS以来となる、重賞2勝目を狙う。

　エリザベス女王杯覇者ラキシスの仔という良血馬マキシ(牡4、栗東・辻野泰之厩舎)は、条件戦で徐々に力をつけてきた上がり馬。

　前走のケフェウスSでも2着と、OPクラスに早々とメドを立てた。3歳時には京都新聞杯でサトノグランツとタイム差なしの4着という実績もあり、素質はこのメンバーでも見劣りしない。

【了】

（文●中西友馬）

今週の重賞スケジュール

11/27(水)
船橋記念(SⅢ・船橋)

11/29(金)
ウインター争覇(SPⅢ・笠松)

11/30(土)
ステイヤーズステークス(GⅡ・中山)
チャレンジカップ(GⅢ・京都)

12/1(日)
チャンピオンズカップ(GⅠ・中京)

【関連記事】
・G1チャンピオンズカップ【過去の結果 – 2000年以降 】
・GⅡステイヤーズステークス【過去の結果 -1980年以降 】
・GⅢチャレンジカップ【過去の結果 -1980年以降 】