【今週のキズナ産駒】ショウナンラプンタなど“三本の矢”で菊花賞Vを目指す!
今週の中央競馬では、JRAリーディングサイアーランキングでトップを走るキズナ産駒が、合計26頭出走を予定している。
注目は、20日(日)の京都11R・菊花賞(G1・芝3000m)に出走するショウナンラプンタ(牡3、栗東・高野友和廐舎)とウエストナウ(牡3、栗東・佐々木晶三廐舎)、シュバルツクーゲル(牡3、美浦・鹿戸雄一廐舎)の3頭だ。
ショウナンラプンタは、昨年9月にデビュー後、日本ダービーを除けば、青葉賞でタイム差なしの2着に入るなど、安定感した戦績を残している。4か月ぶりの実戦となったトライアルの神戸新聞杯では、仕上がり途上のながら後方から追い上げて3着に入り、菊花賞の優先出走権を得た。
今年4月の未勝利戦をデビュー勝ちしたウエストナウは、今回が4戦目となる。2戦目には京都新聞杯に出走し、先行して2着に粘り込んでいる。前走の神戸新聞杯では、馬体重プラス18キロが影響したのか11着に敗れた。しかし「追加登録」して臨む今回の一戦は、勝てば2018年のフィエールマンに並ぶ菊花賞歴代最少キャリアVとなる。また1勝馬の戴冠となれば、レース史上初の快挙となる。
シュバルツクーゲルは、昨年9月の新馬戦を快勝すると、続く東京スポーツ杯2歳Sでも2着に粘り込んだ。春のクラシック出走はなかったが、8月の「ワールドオールスタージョッキーズ第2戦(3歳以上3勝クラス)」では後方から上がり3ハロン最速の脚で古馬勢を一蹴しオープン入りを果たした。キズナ産駒が“三本の矢”でクラシック最後の一冠獲得を目指す。
19日(土)の東京11R・富士ステークス(G2・芝1600m)にはバスラットレオン(牡6、栗東・矢作芳人厩舎)とパラレルヴィジョン(牡5、美浦・国枝栄厩舎)の2頭がスタンバイしている。
バスラットレオンは、2021年のニュージーランドT(G2)や海外の22年のゴドルフィンマイル(G2)、23年の1351ターフスプリント(G3)と通算で重賞3勝を挙げている。近走はやや精彩を欠いているものの、芝&ダート問わず発揮する先行力が武器である。
パラレルヴィジョンも高いポテンシャルを秘めている。今年3月のダービー卿CT(G3)を制すなど、本格化の兆しをみせた一頭だ。今回と同じ左回り芝1600mの安田記念、関屋記念では、二桁着順に敗れたものの、自在性ある脚質で巻き返しを狙う。
20日の新潟11R・新潟牝馬ステークス(L・芝2200m)にはエープラス(牝6、美浦・池上昌和厩舎)が格上挑戦する。地方競馬を経て中央に戻り、安定した成績を残しており、前走のレインボーS(3歳以上3勝クラス、芝1800m)では4着と健闘している。今回の距離延長がプラスに働けば、力をつけた今なら好勝負も十分可能だろう。
さらに2歳馬では、19日の京都3R・未勝利戦(芝1800m)で、昨年のセレクトセール1歳馬部門で6800万円(税抜)の値で取り引きされたダノンジャガー(牡、栗東・池江泰寿厩舎)が初勝利を狙う。
20日には、同じく23年のセレクトセール1歳馬部門において7200万円(税抜)で落札されたリッター(牡、栗東・大久保龍志厩舎)が京都5R・新馬戦(芝1800m)でデビュー戦を迎える。母系は母ワンダーオブリップスが18年のドイツオークスで3着に入り、近親にもドイツでの活躍馬が並ぶ“Wライン”の出身馬。ひとつ上の半兄には、23年の京都3歳Sで3着に入るなど活躍中のサトノシュトラーセがいる。
第80代ダービー馬のキズナは、父が言わずと知れたディープインパクトで、母はキャットクイル。母の父Storm Catはディープと相性が良く、ニックス配合ともいわれており、同系配合には21年のブリーダーズCフィリー&メアターフや19年のオークスを勝ったラヴズオンリーユーほか多数の活躍馬が出ている。
JRAのリーディングサイアー争いでも、10月14日終了時点で34億5323万円を稼ぎ出し、2位のロードカナロアに5億円以上の差をつけている。古馬勢では7歳馬のディープボンドやハギノアレグリアスなどが健在。3歳世代では、皐月賞馬ジャスティンミラノと神戸新聞杯2着のジューンテイクが故障で戦線を離脱してしまったが、毎日王冠を勝利したシックスペンスなど数多くの大物が控えており、初の年間リーディングサイアー獲得に向けて独走態勢を築いている。
【関連記事】
【今週のキズナ産駒】クイーンズウォーク&タガノエルピーダが秋華賞奪取へ! リーディングサイアーは独走
【菊花賞】「長距離は騎手で買え」。格言通り、やはりルメール様は鉄板なのか……?
【菊花賞 有力馬診断】混戦模様の淀の決戦。軸にふさわしいのは春の実績馬? それとも……