HOME » ニュース » 3歳世代初の長距離戦、攻略のヒントは? 好走パターンに当てはまる3頭を絞り出す【菊花賞 考察】 » ページ 2
Redentor
ドゥレッツァ同様に日本海Sを勝ち上がってきたヘデントール

今年の菊花賞に該当する注目馬は?

 

ダノンデサイル(東京 東京優駿)
11.7-11.3-11.1-11.2-11.5
アドマイヤテラ(中京 羅臼山高原特別)
(11.9)-11.7-11.7-11.8-11.4-11.6
ヘデントール(新潟 日本海S)
11.5-11.9-11.7-11.3-11.1

 なんと今年は、3頭も該当馬が現れた。もし登録通りに3頭が出走すれば、過去10年では初のこととなる。該当馬が1頭であれば馬券的には絞りやすいのだが、今年のメンバーレベルの高さが窺える結果となった。

 まず1頭目は、ダノンデサイル。言わずと知れたダービー馬であり、1番人気候補。正直馬券的な妙味はあまりない気もするが、ダービーが9番人気での勝利であることから、過去のダービー馬と同じような、断然の1番人気にはならない見立て。

 しかし、過去30年のダービーでラスト5Fが全て11秒9以下で勝利したのは、2021年のシャフリヤールと今年のダノンデサイルのみ。少なくとも菊花賞に対する適性に関しては、過去のダービー馬に見劣りすることはないと考えている。そのシャフリヤールは菊花賞に出走していないものの、菊花賞の好走パターンには当てはまっていたため菊花賞で見てみたかった。

 ただひとつ懸念材料を挙げると、過去30年のダービー馬のうち、菊花賞を制したのは、ナリタブライアン、ディープインパクトオルフェーヴル、コントレイルの4頭。お気付きの通り、いずれも3冠馬である。皐月賞を勝利していないダービー馬の菊花賞成績は、過去30年で【0-2-2-6】というのは少し気になるところ。

 しかし今年に関しては、その菊花賞に繋がるラップを刻んだダービーの2〜5着馬が出走していないこともあり、軸として考えるのが自然であると感じる。

 2頭目は、アドマイヤテラ。こちらは中京の2勝クラスでマーク。これはキセキとディヴァインラヴに共通しており、なかなかにアツいデータ。さらにその羅臼山高原特別は、最後手綱を緩めながらの快勝と、ラップ面だけでなく視覚的なインパクトも十分の勝ち方であった。

 もちろん、春はミスタージーティーやジューンテイクに歯が立たなかったのは事実であり、能力的にこのメンバーの中で通用する確証はない。

 ただ、母アドマイヤミヤビは、桜花賞12着から距離延長となったオークスで3着と巻き返しており、血統面からもスタミナの裏付けは十分。歴代最多の菊花賞5勝を挙げる武豊騎手との新コンビも魅力的で、当日のオッズしだいではかなり期待値が高そうな印象を受ける。

 そして3頭目が、ヘデントール。こちらは日本海Sでマークしており、昨年の勝ち馬ドゥレッツァとまったく同じ。さらに、パフォーマンス的には昨年のドゥレッツァを上回っているとも感じられる勝ち方で、十分に期待が持てる。かなり粗削りな競馬ながら新馬戦でジャスティンミラノに食い下がったポテンシャルが、ここにきて花開いてきた印象だ。

 しかし、あまりにもドゥレッツァと臨戦過程がかぶるため、実績以上に人気になりそうな点が多少ネック。それでもルメール騎手がアーバンシックを選んだことで過剰人気は避けられるかもしれないので、こちらも当日のオッズには注目したい。

 ということで、菊花賞の好走パターンに当てはまる馬は、登録段階でダノンデサイル、アドマイヤテラ、ヘデントールの3頭となった。

 たまにはオカルトデータ(菊花賞も更新予定)だけでなく、こういう本物のデータも調べられるというところを見せられていたら、幸いだ。

(文●中西友馬)

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