過去10年の直接対決成績
そういうわけで、過去10年のデータを分析してみた。
過去10年、ルメール様と戸崎さんが1番人気と2番人気を分け合ったレースは382回あった。(なので平均すると月に3回程度は発生していることになる。東西分かれてるのにこの頻度とは、さすがトップジョッキー同志である)
で、内訳としては、ルメール様1番人気が253回、戸崎さん1番人気が129回であった。(ルメール様を差し置いて、戸崎さんが1番人気に129回もなってるなんて、いかに人類が神に対して不敬かが分かる)
では、二人の対戦成績について発表しよう。
皆さんはどのように予想されるだろうか?
人気通りに、だいたいルメール様253勝、戸崎さん129勝くらいと予想されるだろうか?
それとも「蛇に睨まれた蛙」ならぬ、「ルメール様に睨まれた戸崎さん」なので、ルメール様300勝、戸崎さん82勝くらいと予想されるだろうか?
答えはルメール様204勝、戸崎さん178勝である。※勝率にすると、ルメール様53.4%、戸崎さん46.6%
正直、私は吃驚した。
ルメール様の圧勝で、戸崎さんは10回くらい勝ってたら、それだけで十分だと思っていたのだ。(なんといっても、相手は神なのだ。全敗しても不思議はない)
それが人気を覆すほどに戸崎さんは勝っているのである!!
これを人間代表である戸崎さんの頑張りと評するか、それとも人間にも花を持たせるルメール様の慈悲深さと捉えるかは意見が分かれるところであろう。
いずれにせよ、世間の想像よりも、ずっと戸崎さんは頑張っているのである。(戸詐欺なんて酷い別称があるが、今後は使用を控えてほしい)※一応二人が1番人気・2番人気を分け合ってる時の詳細成績も載せておくので、興味がある方はご覧いただきたい。
■ルメール様
138-59-55-169
・勝率:36.1%
・連対率:51.5%
・複勝率:66.9%
■戸崎さん
95-69-48-169
・勝率:24.9%
・連対率:43.1%
・複勝率:55.7%
上記の結果を基にすると、秋華賞でも、戸崎さんに十分チャンスがあると考えられる。
だが、人間の可能性というものを信じられない人々は「今回の秋華賞は京都競馬場で行われる。東京や中山ならいざ知らず、関西の戸崎なんて、神に勝てるわけないだろう」なんてケチをつけてくるかもしれない。
実際、戸崎さんの過去10年における全成績は下記になる。
■東開催
・勝率:16.0%
・連対率:29.6%
・複勝率:40.4%
■西開催
・勝率:12.6%
・連対率:21.3%
・複勝率:31.5%
上記を見てもらえれば、戸崎さんは、西での開催(阪神、京都、中京、小倉)において、成績が下がることが分かるだろう。
そういうわけで、ルメール様との直接対決での成績を開催地別に出してみよう。
西開催での対戦は全部で24回であった。(全対戦が382回であったことを考えると、戸崎さんは西でのルメール様との勝負から逃げているようにも見えるが、きっとたまたまだろう。気にしてはいけない)
で、その24回の対戦成績だが、ルメール様16勝、戸崎さん8勝であった。戸崎さんの勝率に換算すると33%なので、全対戦時の46.6%からすると下がっているのだが、それでも善戦してることは間違いないだろう。なんといっても相手は神なのだ。(対戦数が少なすぎるので、誤差といっても良い)
なお、京都競馬場に限定すると対戦は4回あって、全部ルメールさんが勝っている、つまり戸崎さんの勝率は0%なのだが、それに触れると、もうこのコラムの主旨が崩壊するので、見なかったことにする。
都合の悪いデータには蓋をするのが大人というものだ。
皆も学んでほしい。(だいたい4回しかないデータなんて、データとも呼べない)
また、全対戦の中には平場のレースも含まれているので、「ルメール様は平場では人間に慈悲をかけることもあるかもしれないが、重賞では無慈悲に本気を出すのでは?そうなったら戸崎さんでは太刀打ちできないだろう」なんて意見もあるかもしれない。
そういうわけで重賞に絞って、データを出してみた。
重賞での直接対戦(2人が1番人気、2番人気)は過去10年で25回あって、ルメール様14勝、戸崎さん11勝である。
私は涙が出てきた。
戸崎さんはこんなに頑張っているのである。
本気を出した神にここまで善戦するなんて、どれだけの努力が背後にあるのだろう。
それを理解せずに、戸詐欺なんて叫んでいる競馬ファンはもう競馬ファンではない。我々は人間代表として、神と戦っている戸崎さんをもっと熱烈に応援しないといけない。