競走馬の馬体は「前から見る」と分かる? 芝向き・ダート向きの違いを治郎丸敬之が解説

原奈津子×折原日菜×治郎丸敬之が語る
「馬体から読み解く競馬の面白さ」
競馬の知識を幅広くまとめた書籍『サラブレッド大辞典』の刊行を記念したトークイベントが、2026年3月9日に開催された。
登壇したのは、競馬好きとして知られる声優の原奈津子さんと折原日菜さん、そして競馬ライターで「ROUNDERS」編集長の治郎丸敬之氏。
競馬の楽しみ方や予想スタイル、馬体の見方など、サラブレッドの魅力をテーマにしたトークが約90分にわたって繰り広げられた。
競馬初心者でも楽しめる内容でありながら、コアな競馬ファンにとっても新たな発見の多いイベントとなった。

馬体は「前から見る」と分かる!治郎丸氏が語る競走馬の構造
イベントの中でも特に会場の関心を集めたのが、治郎丸氏による馬体の見方の解説だった。
競走馬を見るとき、多くの人は横からのシルエットに注目する。しかし治郎丸氏は、むしろ前から見たときの馬体の幅が重要だと説明する。
ポイントとなるのは前駆(胸)の幅だ。前駆の幅とは、前から見たときの肩端から肩端までの距離を指す。この部分が薄い馬と厚い馬では、走り方の特徴が変わるという。
「幅が薄い馬は、力が横に逃げにくいんです。だから推進力を前に変えやすくて、トップスピードを出しやすい」
ここでいうスピードとは、スタートダッシュのことではない。東京競馬場の直線で33秒台の上がりを出すような、レース終盤のトップスピードを指している。
つまり、前から見た馬体の薄さは、競走馬の末脚の鋭さと関係している可能性があるというわけだ。

芝かダートか。馬体で分かる適性
この馬体の違いは、芝とダートの適性にも関係している。
治郎丸氏によると、前から見て幅が薄い馬は芝向き、胸前が厚く筋肉量の多いタイプはダート向きになりやすい。
ダートでは砂を掻き出すパワーが必要になるため、胸筋が発達した力強い体型が有利になる。
一方で芝では、最後の直線でどれだけ速いトップスピードを出せるかが重要になる。
治郎丸氏は、日本競馬を席巻した名種牡馬サンデーサイレンスを例に挙げた。サンデーサイレンスは非常に薄い馬体の持ち主で、その特徴を受け継いだ産駒たちが日本の芝競馬でスピードを発揮したという。


