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【東大流・ポテンシャル分析 東スポ杯2歳S】素質馬大集結の一戦 ゾロアストロ、ダノンヒストリーが中心を担う

text by 鈴木ユウヤ

東京大学卒の競馬ライター・鈴木ユウヤが、2歳重賞の見どころをわかりやすく伝える本企画。今回は、11月24日(月・祝)に行われる東スポ杯2歳ステークスを特集する。過去には、多くのG1ホースを輩出してきた出世レースだ。今年はどのような有望馬が顔を揃えているのか。見どころを丁寧に解説していく。

2025年7月27日未勝利戦を制したゾロアストロ
2025年7月27日未勝利戦を制したゾロアストロ

 11月24日(祝・月)に東京競馬場で東京スポーツ杯2歳ステークスが行われる。

 言わずと知れた「出世レース」で、ここ10年の勝ち馬を眺めただけでもワグネリアン、コントレイル、ダノンザキッド、イクイノックス、クロワデュノールと半数がのちのGⅠ馬(ニシノデイジーもJ・GⅠ馬)であった。今年も例年に負けず劣らず、あるいは例年以上の素質馬が集結した。

 いい馬ばかりで目移りするが、最有力候補にはゾロアストロを指名しておく。新馬戦は発馬後のダッシュがつかず2着に敗れ、2戦目の新潟芝1800m未勝利を快勝。のちの重賞2着馬ジーネキングを破り、勝ち時計1:47.4、後半5F57.9秒をマークした。

 『次世代スター発掘』の連載では高速馬場の分を差し引いて★5としたが、数字の額面自体はGⅠ級だ。

 サウジアラビアRCではまさかの3着敗戦を喫したが、どうしても1600mでは忙しい様子。最後の勢いを見ても若干脚を余した感はあった。距離延長は歓迎で、今回こそ狙い目と見る。

 対するはダノンヒストリー。デビュー前から評判が高く、素質馬ひしめく6月東京芝1800m新馬で単勝1.2倍に推されたほどの素材だ。

 その勝ち時計1:46.8は昨年のクロワデュノール新馬(1:46.7)に迫るもの。こちらも★5評価を出した。当時0.9秒以上離した3~5着、7着馬が既に勝ち上がった点もこの馬のスケールの大きさを示唆する。

 サレジオもいわゆる「宝塚新馬」を勝った評判馬。重馬場で数字の評価は難しいが、当時の2~4着馬は次走勝ち上がり、6着馬も既に未勝利は脱出している。

 メンバーレベルが高い一戦だったのは間違いない。ただ、個人的には上がり33.5秒で急追した2着馬ローベルクランツの方がいい内容に見えた。

 せっかくなので今回の登録馬のうち『次世代スター発掘』で「重賞レベル」の★5、「OPレベル」の★4を付けた馬を列挙しておく。

★5:ゾロアストロ、ダノンヒストリー、ライヒスアドラー、ラストスマイル、ローベルクランツ
★4:コッツォリーノ、サレジオ、ストームサンダー、チュウワカーネギー、テルヒコウ

 今年の出走馬は非常に層が厚く、この中から将来のGⅠ馬が誕生する可能性は高い。クラシックを占う意味でも大注目の一戦だ。

【了】

(文●鈴木ユウヤ)

<プロフィール>
鈴木ユウヤ(@ysuzuki_keiba)
東京大学卒業後、編集者を経てライターとして独立。中央競馬と南関東競馬をとことん楽しむために日夜研究し、Xやブログ『競馬ナイト』で発信している。「ワイド1点買い」の使い手。2024年の中央GⅠで回収率130%を達成。

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