HOME » ニュース » 最新情報 » 「有馬記念制覇はどれほど険しい道なのか…」日曜劇場『ザ・ロイヤルファミリー』が描く競馬のロマンと現実 » ページ 3

TBS系日曜劇場『ザ・ロイヤルファミリー』で、佐藤浩市が演じる馬主・山王耕造。
その夢はただ一つ「有馬記念で勝つこと」。競馬を知る人なら誰もが、その言葉の重みと厳しさをわかっている。それでも山王は、諦めずに馬と共に夢を追い続ける。今回は、そんな山王耕造という男の“覚悟”と、有馬記念で勝つことのリアルを見つめていく。[3/3ページ]

■有馬記念という究極の舞台

2017年有馬記念を制したキタサンブラック
2017年有馬記念を制したキタサンブラック

 ここで、馬主・山王耕造の夢「有馬記念優勝」に話を戻そう。

 有馬記念は3歳以上の馬が出走可能で、優勝賞金は5億円。まさに国内最高峰のG1として知られる。だが、そこにたどり着くだけでも極めて険しい。

 その有馬記念で優勝するとなると、馬主の所有頭数にもよるが、奇跡的な確度となる。

 まして今や外国馬や地方馬にも門戸が開かれている現状を顧みるだけでも、気が遠くなりそうな話である。

 まず、中山・芝2500mのフルゲートは16頭。しかも、その枠に入ることができる競走馬の半数以上は「ファン投票」によって決まる。山王も語っていたように、その点は日本ダービーとは大きく異なる。

 2024年のファン投票では、502万以上が投票されたが、上位馬はG1で実績を残してきた人気のある実力馬に集中する。

 さらに、過去10年のデータを見ると、優勝馬のほとんどが単勝1〜4番人気。5番人気以下で優勝したのは1度しかない。

 つまり、有馬記念での優勝することは、本当に“ひとつまみ”の馬主しか手にすることができない栄冠なのだ。

 ちなみに、演歌歌手の北島三郎氏が所有するキタサンブラックは、2017年に有馬記念を制した。

 だが、北島氏が馬主として費やした年月は足かけ55年、所有してきた馬は地方馬を含め500頭以上ともいわれる。まさに執念で味わった美酒であった。

 佐藤浩市演じる山王耕造が、どれほどの競走馬を所有してきたのかは不明だが、彼の夢「有馬記念制覇」がいかに高い壁であるかは想像に難くない。

 果たして、馬主役の山王耕造と栗須栄治は、有馬記念で優勝することができるのであろうか。

 シリーズのカギを握ると噂の目黒蓮らの絡み具合も気になるが、もし勝ち取った際は、決め手となった秘技を、ぜひこの目で確かめたいものである。

【了】
(文●TOM)

【関連記事】
【有馬記念 5選】ラストランで有終の美を飾り、引退式を行った歴史的名馬たち
【今から本気で考える2025有馬記念】もう待ち切れない!“年末の総決算”を優勝するのはどの馬…?
キタサンブラック 〜北島三郎に愛され、ファンに愛されつづけるド根性ホース~

1 2 3