TBS系日曜劇場『ザ・ロイヤルファミリー』で、佐藤浩市が演じる馬主・山王耕造。
その夢はただ一つ「有馬記念で勝つこと」。競馬を知る人なら誰もが、その言葉の重みと厳しさをわかっている。それでも山王は、諦めずに馬と共に夢を追い続ける。今回は、そんな山王耕造という男の“覚悟”と、有馬記念で勝つことのリアルを見つめていく。[2/3ページ]
■競馬でG1を勝つことの難しさ

2024年、日本で誕生した軽種馬(サラブレッドなど)は、7925頭(※ジャパン・スタッドブック・インターナショナルのデータより)とされている。
そのうちJRAで競走馬としてデビューできるのは、推定値で約50~60%前後といわれることから、およそ4300頭に絞られる。
さらに、その中で1勝を挙げられるのは約1300頭、全体のわずか16.4%にすぎない。
しかし、1勝止まりではG1レースへの出走すら難しい。
例えば、毎年行われる3歳馬しか挑戦できないG1「日本ダービー」は、フルゲートで18頭の枠しかない。
毎年、日本ダービーの発走前には「果たして、7925頭の頂点に立つのはどの馬だ!」という決まり文句が炸裂する。
つまり、日本ダービーに出走できる馬は、約0.2%ということになる。優勝ともなれば、まさに奇跡に近い確率である。
2025年現在、中央競馬では24の平地G1レースが組まれているため、どのG1でも良ければチャンスは増えるものの、頂点を極めることの難しさは変わらない。



