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「有馬記念制覇はどれほど険しい道なのか…」日曜劇場『ザ・ロイヤルファミリー』が描く競馬のロマンと現実

text by TOM

TBS系日曜劇場『ザ・ロイヤルファミリー』で、佐藤浩市が演じる馬主・山王耕造。その夢はただ一つ「有馬記念で勝つこと」。
競馬を知る人なら誰もが、その言葉の重みと厳しさをわかっている。それでも山王は夢を追い続ける。
今回は、そんな山王耕造という男の覚悟と、「有馬記念で勝つ」という夢の現実性を、リアルな数字を交えて考えてみたい。[1/3ページ]

■『ザ・ロイヤルファミリー』が描く競馬のロマンと現実

NaritaBrian
第39回有馬記念を制した時のナリタブライアン

 TBS系で放送中の日曜劇場『ザ・ロイヤルファミリー』(毎週日曜後9・00)が、競馬ファンのみならず、一般視聴者の間でも話題を集めている。

 主演の妻夫木聡(馬主秘書・栗須栄治役)と佐藤浩市(馬主・山王耕造役)を中心に、脇を固めるキャストも、人気と実力を兼ね備えた俳優陣がズラリと並ぶ。

 話のキーマンとされる人気アイドルグループ・Snow Manの目黒蓮、ジョッキー役の高杉真宙、牧場の娘役を演じる松本若菜ら、今をときめく注目株も出演している。

 さらに、調教師役の安藤政信のほか、馬主の好敵手・沢村一樹、山王耕造の妻役を演じる黒木瞳ら豪華キャストが揃い、作品全体に厚みを与えている。

 演出面でも臨場感を追求し、初回放送では「レジェンド」武豊騎手が特別出演するなど、実際の競馬ファンにもたまらないつくりとなっている。

 原作は、2019年度JRA馬事文化賞を受賞した早見和真の小説『ザ・ロイヤルファミリー』。

 人間と競走馬の20年に渡る壮大なストーリーだけに、ドラマ好きはもちろん、競馬ファンも考えさせられる内容が描かれている。

■馬主・山王耕造の夢

 第2話では、馬主の佐藤浩市(山王耕造役)が、シリーズの行方を左右するような大きな夢をぶちまけた。所有馬・ロイヤルイザーニャの初勝利後の祝勝会でのことだ。

「俺の夢は有馬記念で勝つこと」
「俺たちは有馬記念で勝つ、絶対」

 筆者は、原作を読んでおらず、もしなんらかのテコ入れしたサプライズがあろうと、ドラマ自体の結末を知らない。なので、この後の展開がどうなるかは知る由もない。

 ただし、ひとりの競馬ファンとして言えるのは、競馬の世界でG1を勝つことが「至難の業」であるということだ。それも国民的行事となっている年末のG1「有馬記念」を勝つことの難しさは、並大抵なことではない。

 山王耕造の夢を応援したいという気持ちがある一方で、競馬ファンとして現実の厳しさを冷静に見つめてしまう。

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