HOME » ニュース » 最新情報 » 【敗戦の本質|天皇賞(秋)】2023ダービー馬・タスティエーラは、なぜ敗れたのか?「極端なキレ味勝負では…」 » ページ 2

10月26日(日)に行われた菊花賞は、C.ルメール騎手が騎乗したエネルジコが見事な勝利を収めた。一方、ダービーで3着に入るなどの実績を持ち、今回3番人気に推されたショウヘイは14着に敗れる結果となった。今回は、そのショウヘイの走りに焦点を当て、レース内容を振り返っていく。[2/2ページ]

キレ味勝負となると、タスティエーラにとっては分が悪い…

11月2日(日)に行われた天皇賞(秋)は、C.ルメール騎手が騎乗したマスカレードボールが1番人気に応え優勝した。一方、2023年のダービー制覇を含むG1・2勝の実績を持ち、今回2番人気に推されたタスティエーラは8着に敗退。今回は、そのタスティエーラの走りに焦点を当て、レース内容を振り返っていく。[2/2ページ]

 前置きが長くなったが、このスローペースの餌食となったのが、タスティエーラであった。昨年の天皇賞(秋)で2着に好走しており、ダービーも勝利している東京巧者。

 そこから切れる馬のイメージがあるかもしれないが、日本で挙げた3勝のレースも、全て上がり最速ではないという馬。

 使える上がりは33秒中盤が限界で、レース上がりが32秒台、上がり最速のシランケドは31秒7という究極の瞬発力比べでは、やはり分が悪かった。

 鞍上のレーン騎手としては、最後まで我慢しても切れ負けすると考え、早めの仕掛けで一旦先頭の場面を作り、できる限りの騎乗は見せた。

 自身も33秒0という限界を超えた脚を見せており、8着とはいえ勝ち馬とも0秒4差。7ヶ月ぶりの実戦でプラス10キロだったことを思えば、悲観する内容ではない。

 次走は、昨年と同じ香港カップor香港ヴァーズor有馬記念といったところか。

 詰めて使うイメージはあまり湧かないが、ジャパンカップという選択肢を含めても、レース上がりが32秒台ということはないだろう。特に好相性の香港であれば、巻き返しは十分に考えられる。

■全着順

着順 馬番 馬名 性齢 斤量 騎手 タイム 着差 後3F 人気 単勝オッズ 厩舎
1 5 7 マスカレードボール 牡3 56.0 C.ルメール 1:58.6 32.3 1 2.7 【美浦】手塚貴久
2 6 9 ミュージアムマイル 牡3 56.0 C.デムーロ 1:58.7 3/4 32.3 3 7.4 【栗東】高柳大輔
3 3 3 ジャスティンパレス 牡6 58.0 団野大成 1:58.8 クビ 32.6 8 20.4 【栗東】杉山晴紀
4 7 11 シランケド 牝5 56.0 横山武史 1:58.8 クビ 31.7 6 10.7 【栗東】牧浦充徳
5 2 2 アーバンシック 牡4 58.0 A.プーシャン 1:58.8 クビ 32.2 11 28.2 【美浦】武井亮
6 8 13 メイショウタバル 牡4 58.0 武豊 1:58.8 ハナ 33.1 5 8.6 【栗東】石橋守
7 7 12 セイウンハーデス 牡6 58.0 菅原明良 1:59.0 3/4 32.4 10 27.7 【栗東】橋口慎介
8 4 5 タスティエーラ 牡5 58.0 D.レーン 1:59.0 アタマ 33.0 2 6.6 【美浦】堀宣行
9 8 14 クイーンズウォーク 牝4 56.0 川田将雅 1:59.0 ハナ 32.8 9 25.1 【栗東】中内田充正
10 4 6 ブレイディヴェーグ 牝5 56.0 戸崎圭太 1:59.1 3/4 32.3 4 7.7 【美浦】宮田敬介
11 6 10 エコロヴァルツ 牡4 58.0 三浦皇成 1:59.2 クビ 33.3 13 89.4 【栗東】牧浦充徳
12 1 1 コスモキュランダ 牡4 58.0 津村明秀 1:59.2 アタマ 33.3 14 117.0 【美浦】加藤士津八
13 5 8 ホウオウビスケッツ 牡5 58.0 岩田康誠 1:59.2 アタマ 33.5 7 14.6 【美浦】奥村武
14 3 4 ソールオリエンス 牡5 58.0 丹内祐次 1:59.3 3/4 32.9 12 50.3 【美浦】手塚貴久

【了】

(文●中西友馬)

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