全国の大学競馬サークルがGⅠレースで予想力を競う「学生馬券王決定戦」!
第3戦の舞台は、3歳馬と古馬が激突する中距離王者決定戦・天皇賞(秋)。今年は、春のクラシックを沸かせた2頭の3歳馬が参戦し、例年以上に注目が集まっている。果たして、各サークルは、3歳馬と古馬──どちらに重い印を打ったのか。その選択こそが、学生馬券王の座へと近づく鍵となる。[5/8ページ]
  
  
■現在第4位:九州大学競馬サークル
天皇賞(秋)の予想

◎シランケド
◯マスカレードボール
▲ ホウオウビスケッツ
△タスティエーラ
△ ブレイディヴェーグ
△メイショウタバル
今週はロードサラブレッドオーナーズにとって非常に盛り上がる週になるはずだった。日米G1で、更には2歳の出世レースでクラブ馬が走るはずだった。だが、2つの悲報がクラブを襲う。
まず最初が、百日草特別に登録していたロードフィレールの、右眼の負傷による回避。ここで代表の心は落胆に包まれた。
何を隠そう、出資馬なのだ。デビュー戦は7月20日のメイクデビュー小倉、小倉記念開催日の新馬戦。メインが夏の小倉で最も盛り上がるレースという事もあり、当サークルのアクティブメンバーである11人が全員現地参戦、更には代表も口取りの申し込みをして、真夏ながらも相応しい格好をして競馬場に臨んだ。
スタートしてからスムーズに進め、最後の直線でルートサーティーンを競り落として先頭に立とうとする。「誠之助!!誠之助!!」という全力の叫びに応えるように、真っ先にゴールを駆け抜けようとしていた。勝てる!! そう思った刹那──────1頭の馬が大外から強襲する。
その馬こそ、2番人気に甘んじていたものの最大の注目馬にして、クロノジェネシスの初仔であったべレシート。一瞬で抜き去られたフィレールは勝ち馬の半馬身後ろでゴール板を通った。ゴール前3秒の暗転。名馬の初仔が見せた驚異的なレースに周囲が歓喜する中、代表はただ1人、誇張抜きに膝から崩れ落ちたのだった……
しかしこのレースでロードフィレールの能力の高さは示され、次走は単勝1倍台に応えて圧勝する。そしてキャリア3戦目として選んだのが、日曜日に行われる百日草特別だった。
過去にはエフフォーリアなども優勝した出世レースに、新コンビ・横山和生と挑む。ここで勝てばクラシックが見える。期待に胸を躍らせていた矢先での知らせだった。最終的に、百日草特別の出走は5頭。ライバルも少なく、もし勝てなくとも賞金は入る。ここを出られなかった悔しさが尋常ではないのは、伝わるのではないだろうか。
今週の選択レースはロードフィレールと決めていたので、プランが白紙になった。この点でも痛いが、やむを得ない。下に新たな選択レースの本命を書いたので、是非見てほしい。
次に会員を襲った知らせは、まさかのロードデルレイの天皇賞回避。調教中のミスステップに起因する筋肉痛で歩様に違和感が見られ、出走を断念した。ロードデレナイなんて揶揄されるのも納得いってしまうくらい、順風満帆とは程遠いキャリアである。
代表個人のTwitterアカウントにも、当然デルレイ出資者のフォロワーは多いが、その落胆ぶりは相当なもので、心情を考えると自分がフィレールでへこんでいるのがちっぽけな事に思えてしまうくらいだ。
更に、こちらも予想への影響は大きい。メンバーにも軸にする予定の人がいたし、出走できていたらこの企画でも買い目に入っていた可能性は高い。ロード所属馬のアクシデントに泣かされる週となった。
 そんな中でも、BCマイルでクラブのアルジーヌが走る。デルレイ、フィレールの想いを背負って、デットーリのキャリアを飾る勝利を手にしてほしい。

 さて、前置きだけで恐らく初回の予想の数倍の文章量になってしまったが、天皇賞の予想に移ろうと思う。本命はシランケド。今回定例会に集まった4人中3人がシランケド対抗かつ本命が全員バラバラという事で、この馬が本命に押し上げられた。
クラスが上がっても安定感はブレず、G1初挑戦となったVMでも現役マイラー牝馬ではトップとも言えるアスコリピチェーノと差のない3着、前走では先週G1を勝ったエネルジコに勝利している。ここでビッグタイトルとなってもおかしくない。シランケド。これ以降は、それぞれの本命を印に入れた。
対抗は1年生のメンバーが◎に選んだマスカレードボール。近くの枠に近走先行している実績馬が多く、逃げ馬を考えるとスローまたはミドルペースが濃厚なため実力のある先行馬の後ろはポジション有利。差し馬が1〜3枠に揃い、ペースが乱れて先行馬が崩れる可能性は低い。東京コースの実績も後押し、との事だ。
単穴は代表◎のホウオウビスケッツ。この馬は代表が去年も本命にしていた。直線半ばでこの馬は残ると確信し、後はドウデュースさえ来れば!!来た!! 来たぞ!! なんかタスティエーラまで着いてきたんだけどぉ!? で馬単を外した苦い思い出がある。
今回はメイショウタバルの後ろで進める形になるだろうが、十分対応できると思う。府中実績もある。末脚自慢の上位人気馬をまとめて抑え込む姿も期待できそうだ。昨年の雪辱なるか。
連下からは、まずは副代表の本命タスティエーラから。府中向きで鞍上とも好相性でプラス、多少渋っても問題ない。更にこの舞台で内目の枠はアドバンテージになるとの事だ。
続いて、4年生のメンバーが本命にしたブレイディヴェーグ。久々距離伸びた前走の直線があんまりだったが、走ってる馬場がよくなかったとポジティブに考えた。枠と戸崎に戻るのもプラス。他の人気馬よりは1列前で競馬するかもという点も併せて選んだ。去年の今頃は今年もっと結果残す牝馬になると思ってたし、東京2000で6〜7番人気になるなら面白いと考えた、との事だ。
ラスト1頭、印はつけるが買い目に入れない選択を取ったメイショウタバル。これはラスト1枠に困った代表が、買い目に入れない形にして独断で印をつけたもの。理由は単純。天皇賞直前の秋の園遊会に出席した盾男が乗る。これだけで買う価値はあるだろう。
更には亡き松本オーナー、そして彼を慕う人々の想いも背負っている。武豊はこういう時に決めてくる男ではないだろうか。予想が外れても、タバルが来れば後悔はない。因みにウマ娘のCMがサインという可能性も頭の片隅にある。
券種:馬連
方式:流し
買い目:11-5、6、7、8
  
  

選択レース:東京9Rの予想
◎マテンロウバローズ
 上で長々と書いたロードフィレールが回避で抜け殻になった代表が、パッと見て気になった馬。もう1つ候補として、代表の出資馬にして大学対抗POGにおける当サークルの指名馬、ロードステラート(京都1R)を提示したが、投票の結果こちらになった。
距離を戻した前走は、兄マテンロウオリオンを彷彿とさせる末脚。枠は決まってないものの、前走同様後方から進めると思われる。同じ舞台、叩き2戦目で上昇に期待したい。
(文●九大競馬サークル代表)



