騎手目線から見た、競馬の一番の魅力とは?
――なにかスポーツはされていたんですか?
(木之前)母の勧めもあって、バレエと新体操を習っていました。
――そうなんですね。バレエや新体操にはあまり熱中されなかったんですか?
(木之前)当時はあまり興味を持てなくて、習い事の中で夢中になったのは乗馬だけでした。
でも、バレエや新体操では、人間関係を学んだ部分が大きかったですし、そこで得た身体の使い方とかは今も生きていると思います。
あとクラシック音楽に関しては、今はよく聞きます。ただ、子どもの頃はその良さが分からず、乗馬の楽しさが完全に上回っていましたね。
やっぱり母から見ても、乗馬のときは楽しそうで目がキラキラしていたみたいです。
――乗馬を始めてから、大変だったことはありましたか?
(木之前)乗馬を習っていた牧場が家から少し遠くて、母の協力がないと行けなかったんですよ。
夏休みとかは朝3時半には家を出て、5時には到着していました。1分でも遅れてしまったら、その日は馬に乗せてもらえないルールだったので。
――かなり厳しかったんですね。
(木之前)特に時間に関しては、厳しいルールがありましたね。そのおかげで、ジョッキーになった今でも、時間はしっかりと守ることができています。
――では、騎手目線から見た、競馬の一番の魅力とはなんだと思いますか?
(木之前)毎日、自分がレースに乗る馬の稽古をしている中で、それぞれ色々なタイプの馬がいるんですけど、乗っているうちに稽古内容がだんだん良くなっていくことがあるんですよ。そうなると、レースがすごく楽しみになります。
そしてレースでも、何度も乗っているうちにそれぞれの馬の個性を理解してきて、勝利へ繋げていくことに、やりがいを感じますね。
自分の騎乗と馬の能力、ともに成長を感じられる点が、騎手の一番の魅力かなと思います。