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【敗戦の本質 2025凱旋門賞】今年挑戦した日本馬はなぜ敗れたのか?「世界トップレベルなのは明らか」

text by 中西友馬

先週5日(日)に行われた2025年の凱旋門賞。日本から挑戦した3頭が、いずれもフランスで行われた前哨戦を勝利したことで、今年こそ日本調教馬の悲願達成への機運が高まっていた。しかし勝利を収めたのは、フランス調教馬のダリズ。日本調教馬はまたも世界の高い壁に跳ね返される形となった。そこで今回は、日本馬3頭の敗因について考察してみる。

2025年凱旋門賞(Photo by Scoop Dyga/Icon Sport via Getty Images)
2025年凱旋門賞(Getty Images)

日本馬3頭は、なぜ敗れたのか…

 まずは、日本独自のオッズで日本馬最上位の人気となっていた、クロワデュノール。本質的に、フランスの馬場が合うタイプではないんじゃないかというのが、遠征前の大方の見立てであった。

 しかし、プランスドランジュ賞の勝利でその評価は一変した。ペネトロメーター3.9の馬場で勝利したことで、本番に向けて期待が高まっていった。枠番抽選で引き当てたのは17番ゲート。18番ゲートのエストレンジが出走を取り消したことで、大外枠からの発走となった。

 好スタートから前につけて先頭で直線に入るも、残り400mで直後にいたミニーホークに並ばれると抵抗できずに後退。後続馬に次々と交わされて14着に終わった。

 クロワデュノールの場合は、適性の差が顕著に表れたと言える。日本でも良馬場しか走ったことがなく、ダービーを勝っているが、中距離がベストの印象。前哨戦は距離が2000mだったぶん結果を残せたが、それよりも重いペネトロメーター4.1の馬場での2400mは、完全な適性外であろう。

 外枠の不利を無効化するために前へと行った北村友一騎手の作戦は正解だったと思うが、この距離とこの馬場では、どんな展開や戦法でも厳しかったと思われる。

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