これがG1馬の貫録
直線に入ると、ジーティーアダマンを交わしたフィーリウスが先頭に立つ。挟むようにして内からヤマニンブークリエ、外からレッドバンデが並びかけるが、その外から一番の伸び脚を見せたのが、ミュージアムマイル。
最後はまとめて交わして、1着でゴール板を駆け抜けた。2着は内にこだわって伸びたヤマニンブークリエ、クビ差の3着にはレッドバンデが入り、この上位3頭までに菊花賞の優先出走権が与えられた。
ちなみに勝ち時計の2分10秒8は、過去10年で最速のタイム。前半のペースこそ平均〜ややスローの部類も、ファイアンクランツの動きによってラスト5F全てが11秒台という、スピード持久力が問われるラップとなった。
勝ったミュージアムマイルは、秋初戦を良い形で発進。今後のローテーションは明言されていないが、天皇賞(秋)へと進むことが有力視されている。
ただ個人的には、この競馬ができるのであれば菊花賞のほうが良いのではないかと感じた。皐月賞でも同じように早めにペースが上がるラップ構成で強さを発揮しており、スピード持久力にかなり秀でているタイプ。
実はダービーでも、上がり3Fではクロワデュノールを上回る脚を使っているが、直線の切れ味勝負となる東京では分が悪い。レースぶりから東京2000mより京都3000mのほうが適性が高い気はしているが、今後の進路選択も含めて、注目の1頭となることは間違いない。
■勝ち馬プロフィール
ミュージアムマイル | |
---|---|
生年月日 | 2022年1月10日 |
性齢 | 牡3 |
毛色 | 黒鹿毛 |
調教師 | 高柳大輔(栗東) |
馬主 | サンデーレーシング |
生産者 | ノーザンファーム |
産地 | 北海道安平町 |
通算成績 | 8戦4勝 [4-1-1-2] |
主な勝鞍 | 2025年 皐月賞(G1) |
■全着順
着順 | 枠 | 馬番 | 馬名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | タイム | 着差 | 人気 | 単勝オッズ | 後3F |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 5 | 6 | ミュージアムマイル | 牡3 | 57.0 | 戸崎圭太 | 2:10.8 | 1 | 2.6 | 34.4 | |
2 | 5 | 5 | ヤマニンブークリエ | 牡3 | 57.0 | 横山典弘 | 2:10.9 | 3/4 | 8 | 25.4 | 34.4 |
3 | 6 | 8 | レッドバンデ | 牡3 | 57.0 | 佐々木大輔 | 2:10.9 | クビ | 2 | 4.4 | 34.7 |
4 | 2 | 2 | ピックデムッシュ | 牡3 | 57.0 | C.ルメール | 2:11.0 | 1/2 | 5 | 8.2 | 34.4 |
5 | 3 | 3 | サクラファレル | 牡3 | 57.0 | 藤岡佑介 | 2:11.4 | 2.1/2 | 6 | 10.0 | 35.2 |
6 | 6 | 7 | ビーオンザカバー | 牡3 | 57.0 | 横山武史 | 2:11.4 | クビ | 7 | 24.1 | 34.0 |
7 | 4 | 4 | リギーロ | 牡3 | 57.0 | 三浦皇成 | 2:11.5 | 1/2 | 9 | 89.3 | 34.7 |
8 | 8 | 12 | フィーリウス | 牡3 | 57.0 | 丹内祐次 | 2:11.6 | 1/2 | 10 | 119.4 | 35.6 |
9 | 7 | 10 | ブルータス | 牡3 | 57.0 | 菅原明良 | 2:11.7 | 1/2 | 12 | 152.6 | 35.3 |
10 | 8 | 11 | エーオーキング | 牡3 | 57.0 | 木幡巧也 | 2:11.9 | 1.1/2 | 11 | 129.9 | 35.3 |
11 | 1 | 1 | ジーティーアダマン | 牡3 | 57.0 | 岩田望来 | 2:12.1 | 3/4 | 4 | 6.8 | 36.2 |
12 | 7 | 9 | ファイアンクランツ | 牡3 | 57.0 | J.モレイラ | 2:12.6 | 3 | 3 | 6.0 | 36.4 |
【了】
(文●中西友馬)
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