【東大流・ポテンシャル分析札幌2歳S】現時点の「牡馬トップ評価」アーレムアレス、鬼脚のポペットが中心
東京大学卒の競馬ライター・鈴木ユウヤが、2歳重賞の見どころをわかりやすくお届けするこの企画。今回は9月6日(土)に開催される、札幌2歳ステークスを取り上げる。スピードとスタミナが問われるレースだが、今年の有力馬にはどんな馬が揃っているのか。その特徴と見どころをあわせて解説していく。
◆「牡馬トップ評価」のアーレムアレス登場
9月6日(土)に札幌2歳Sが行われる。2歳夏のうちに施行される唯一の中距離重賞とあって、ほぼ毎年ハイレベルなメンバー構成となる。
ここから年末のGⅠや翌年クラシックの活躍馬が出るのも珍しくなく、昨年勝ち馬マジックサンズはNHKマイルCで2着、2着馬アルマヴェローチェは阪神JFを勝ち、桜花賞&オークス2着とGⅠでも結果を出した。
今年も楽しみな馬は多いが、なかでも筆頭はアーレムアレスだ。デビュー戦は評判馬ハムタンに1.3/4馬身差で快勝。1:48.7の優秀なタイムに加え、ラスト11.8-11.3の加速ラップでもあった。
『次世代スター発掘』の連載では「これまでデビューした中ではこの馬が現2歳牡馬のトップ」と評し、GⅠ級の★6を付けた。相手も揃ったが、持ち前のポテンシャルを見せつけてクラシックに名乗りを上げてほしい。
もう1頭推したいのが牝馬のポペット。こちらは初戦で★5評価をつけた。新馬は札幌芝1500m戦で、中団追走から直線は他が止まって見えるような鬼脚で一気に突き抜けた。
勝ち時計もよく、なんといっても上がり33.9秒がこのコースの2歳戦史上最速であった。距離延長になること、継続騎乗にもかかわらず▲3キロの減量特典がなくなることなどマイナス要素もあるが、人気薄なら狙う価値はある。
ロスパレドネスは福島でデビュー勝ち。勝ち時計1:49.5は福島芝1800mの2歳新馬戦としてはノームコアに次ぐ歴代2位のタイム。ラスト2Fは12.1-12.0の加速ラップだった。全兄ジオグリフは皐月賞馬にしてこのレースの勝ち馬でもある。もちろん適性はあるだろう。
ほか、未勝利戦が好タイムの4馬身差勝ちだったスマートプリエールも侮れない1頭。人気馬のなかだとショウナンガルフは前走が道悪の6頭立てで、圧勝とはいえ2着以下からその後勝ち上がりが出ていない。急激に相手が強くなる今回は試練の一戦で、馬券的には過信禁物だ。
【了】
(文●鈴木ユウヤ)
<プロフィール>
鈴木ユウヤ(@ysuzuki_keiba)
東京大学卒業後、編集者を経てライターとして独立。中央競馬と南関東競馬をとことん楽しむために日夜研究し、Xやブログ『競馬ナイト』で発信している。「ワイド1点買い」の使い手。2024年の中央GⅠで回収率130%を達成。
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