【東大流・ポテンシャル分析 中京2歳S】差し経験が重要!好タイム&加速ラップVのスターアニスが最有力
東京大学卒の競馬ライター・鈴木ユウヤが、2歳重賞の見どころをわかりやすくお届け。今回取り上げるのは、8月31日(日)に開催される現2歳世代最初のマイル重賞、中京2歳ステークスである。スピードが重要視されるこの一戦。今年はどんな素質馬が揃っているのか。注目馬の特徴とあわせて、レースの見どころを解説していく。
◆差した経験を重視したいメンバー
8月31日(日)に中京2歳Sが行われる。昨年までの「小倉2歳S」を引き継ぐ形で行われる2歳の短距離重賞だが、距離は1200mではなく1400mとなる。
登録馬を見渡すと、先行馬と距離延長馬が大半を占めている。ハイペースが予想され、例年以上に「差して勝った経験」が重要なポイントとなりそうだ。
その経験面を含め、一番手に挙げたいのはスターアニス。新馬戦では上がり最速タイも5着に終わったが、2戦目の未勝利戦で変わり身を見せて7馬身差の圧勝。勝ち時計1:08.0は前週に行われた北九州記念と0.2秒差で、ラスト11.9-11.6の加速ラップでもあった。
これらの内容を踏まえ、『次世代スター発掘』でも「重賞級」の★5と評価した。その時大きく離れた2着だったタマモイカロスも次走を3馬身差で快勝しており、負かした相手のレベルにも見所がある。
そのスターアニスを新馬戦で破ったコラルリーフも侮れない。こちらは勝ち時計(1:09.7)が抜群にいいわけではないが、ラスト11.5-11.4の加速ラップであった。200mの距離延長に対応できれば好勝負になるだろう。
6月に東京芝1400mで新馬勝ちを収めたパープルガーネットにも注目。当時の3着馬ディアダイヤモンドは次走を7馬身差で勝利した。
近年は6月の東京&阪神新馬に有力馬が集まりやすく、数字的に目立たなくとも「後から見ればハイレベル戦だった」というケースが珍しくない。左回り、距離、差しをいずれも経験済みという点でも心強い。
ほか、タマモイカロスの前走は5頭立ての少頭数とはいえ、ラスト2F10.9-11.1の鋭い伸びが印象的。未勝利馬だが前走このコースで上がり最速をマークしたアイルトンも軽視禁物だ。
【了】
(文●鈴木ユウヤ)
<プロフィール>
鈴木ユウヤ(@ysuzuki_keiba)
東京大学卒業後、編集者を経てライターとして独立。中央競馬と南関東競馬をとことん楽しむために日夜研究し、Xやブログ『競馬ナイト』で発信している。「ワイド1点買い」の使い手。2024年の中央GⅠで回収率130%を達成。
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