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【重賞回顧 CBC賞】佐々木騎手の神騎乗炸裂!インビンシブルパパ、芝2戦目で重賞初制覇

text by 中西友馬

先週末に行われたスプリント重賞・CBC賞。昨年同様に混戦模様となった。下位人気の馬も一発が狙えそうなムードが漂っていた。1番人気のジューンブレアは、前走でレコード決着の接戦を演じた実力馬ながら、まだ重賞タイトルには手が届いていない。そんな中で迎えた一戦は、伏兵の鮮やかな逃げ切りによって、新たなヒーローが誕生する結果となった。

2025年CBC賞を制した時のインビンシブルパパ(写真奥)
2025年CBC賞を制した時のインビンシブルパパ(写真奥)

インビンシブルパパ、芝2戦目で重賞初制覇

 カリボールが出走を取り消し、17頭で行われた今年のCBC賞。単勝100倍以上の馬はいないという割れたオッズではあったが、単勝10倍を切る馬も2頭しかいないという、いびつなものとなっていた。

 1番人気(単勝オッズ3.2倍)はジューンブレア。前走の函館スプリントSはレコード勝ちのカピリナとハナ差の2着。鞍上は、前日に4600勝を達成したばかりの武豊騎手であった。2番人気(単勝オッズ4.2倍)はヤマニンアルリフラ。前走の北九州記念では、3連勝で重賞初制覇。前走比2.5キロ増となる57.5キロの斤量がカギも、勢いはメンバー随一だと言えた。

 レースは、前走で前半3F32秒台で先行した馬たちが複数いて先行激化も考えられたが、外枠からでもインビンシブルパパが先手を主張。最初の1Fでハナを奪い切ると、意外と競りかけてくる馬はおらず、思ったよりスンナリと隊列は決まる。2番手にはベガリスがつけ、8枠の2頭が前を固める形。ジューンブレアは好位のインコース、ヤマニンアルリフラは中団後方馬群の中からレースを進めていた。

 前半3Fの通過は34秒0と、スプリント重賞としては速いとは言えない流れ。このペースで単騎逃げを打てれば、インビンシブルパパはそう簡単には止まらない。残り100mで後続に2馬身半の差をつけるセーフティーリード。馬群をさばいて伸びてきたジューンブレア、後方で脚を溜めていたシュトラウス、ドロップオブライトが最後に猛追を見せるも、半馬身のリードを守り切ってインビンシブルパパが勝利。

 半馬身差の2着にジューンブレアが入り、さらにクビ差の3着がシュトラウス、さらにクビ差の4着がドロップオブライト。2番人気のヤマニンアルリフラは、12着に敗れた。

 勝ったインビンシブルパパは、これまで全5勝をダートで挙げてきた馬。初芝となった前走の函館スプリントSでは、前走3F32秒5のペースで引っ張り、レコード決着を演出。自身も4着に粘り込み、芝でも通用するスピードを見せていた。

 ダートで結果を残してきた馬だけあって、雨予報がプラスに働く可能性ありと見る人も多かっただろうが、予報ほど雨が降らずに良馬場。それでもテン乗りとなる佐々木大輔騎手が絶妙なペースで逃げ、前日エルムSのペリエールに続き、2日連続の重賞制覇。前半34秒0-後半33秒4という先行馬有利な展開を作り出す、見事な騎乗であった。

 2着のジューンブレアは、函館スプリントSに続いての惜敗。テンのスピードがあって常に良いポジションを取れるのが魅力で、今回は初となるコーナーを回る左回りでも、しっかりと力を発揮した。今後も大崩れは考えにくいタイプで、実質トップハンデタイを考えればよく頑張っている。

 3着のシュトラウスは初の千二戦であったが、マイルや中距離戦より速い流れでいつもの掛かり癖は影を潜め、上がり3F32秒6の末脚に転化することができた。

 さらにそれを上回る、上がり最速32秒3の末脚を見せたのが、道中最後方を追走していた4着のドロップオブライト。連覇達成こそならなかったが、急遽の騎手変更に加え、昨年比2キロ増となる56キロを背負ってのレースだと考えると、さすがのひと言であった。

【了】

(文●中西友馬)

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