
会心、でも複雑…自身のレースを振り返る
――好きな馬はいますか?
キセキやオルフェーヴルがすごく好きでしたね。最近だと、やっぱりイクイノックスは、素直に「強いな」と思っていました。
今の現役馬の中では、特に“この馬!”という存在はいないので、新しい推しを見つけたいなと思っています。
――どういう馬を好きになる傾向がありますか?
やっぱり今はG1をメインで買っているので、個性派とかキャラがしっかりしている馬というより、G1で結果を残している「強い馬」を好きになりますね。
だからイクイノックスみたいな馬には、すごく惹かれます。
――馬券の買い方は、「本命党」と「穴党」どちらですか?
どちらかというと穴党ですね。1番人気を1着で買うことはなるべく避けていて、1番人気を2着固定にして流すことが多いです。ちょっとひねくれた買い方をして、結局「素直に買っておけば良かった」って後悔することも多いんですけどね。
でも、本当に自信があるときは単勝をガツンと買うこともあります。1番人気を1着で買うとしたら馬単や3連単じゃなく、単勝を買いますね。
――競馬とボートレースの買い方の違いは感じますか?
ボートレースは6艇しかなくて、インが強いので、どうしても3連単に偏ってしまいます。そう考えると、やっぱり競馬は買い方のバリエーションが多くて、奥が深いなと思います。もちろん、その分「買い方ミスったな…」ってことも多いんですけど(笑)。
――3連単といったら、西岡選手はついこの間、14万舟(常滑レディースオールスター初日2R)を演出しましたが、あのレースはいかがでした?
自分が舟券を買う立場だったとしても、買えない舟券でした(笑)。
自分が思っていたよりも、レースでエンジンが押している感じがあったんですよ。普通のエンジンだったら、あのターンでも勝ち切れなかったんじゃないかと思うんですけど、前に出ていきましたね。
――レース前からエンジンの感触は良かったんですか?
あれが節の1走目だったので、自分自身でも感触があまりよく分かっていませんでした。周りの選手も強くて、自分は5コースだったので、A級の選手からとか、インからし買えないですよね。
――実際、こういう大波乱を演出したときは、選手の立場としてはどういう心情なんですか?
もちろん嬉しいんですけど、記者さんに「3連単最低人気でした!(120通り中120番人気)」って言われて、複雑でした(笑)。「あなた売れてなかったですよ」って言われているのと同じことなので。でも、自分を信じて買っていただいているファンの方には、少しはお返しができたのかなって思いました。
――スリット的には遅れ気味でも4号艇の外を握ってまくり差しにいきましたが、あれはレース前にイメージしていたんですか?
一応、レース前にどんな展開になるかなというのは考えながらレースに臨むので、このスペースに入りたいなって思いながら、ハンドルを切ってターンしていますね。それでも、同じハンドル操作とレバー操作をしても、エンジンとかプロペラの調整によって、思った場所に行けるときと行けないときがあるんです。
――それだと特に1走目は、やはり手探り状態ってことなんですね。
前検で一度乗っていても、その日の気温とか湿度、気圧なんかでエンジンの出力自体が変わってしまうんですよ。プロペラの回転数が毎日変わってしまって、乗り心地も日によってだいぶ違ってくるんです。「そこ入りたいのに、なんでそっち行くねん!」みたいな感じになったりしますね。
――そんな中で、あのレースでは思い描いたターンができたということですか?
そうですね。あのレースは、1マークでロスなく行きたいところに入っていけたっていう感じでしたね。道中も、ハンドルを切ったときにロスがない分、差し返せたんだと思います。
――同じレディースオールスターで4コースからまくったレースは、スリットがバラけてダッシュ勢優勢でしたよね。選手目線では、どのように見えていたんですか?
あれだけダッシュから前にいたら、もう行くしかないって感じでしたね。しかもあのレースは、左隣の3号艇(山口真喜子選手)がエース機(61号機)だったんですよ。スタート練習のときから、伸びていくなっていうのを私自身も感じていたんです。
展開予想的には、3号艇がまくっていってできたスペースを差そうと思っていたんですよ。だから、その3号艇がスタートしたときに隣にいないっていうのは予想外で、「伸び返される前に締めていかないと」って思いましたね。
自分が攻めていく展開になるとは思っていなかったんですけど、あのときはバチっと良いスタートが切れたので、結果的に良いレースにできたと思います。