HOME » コラム » 競馬の基礎知識 » ステイゴールド産駒獲得賞金ランキングトップテン。海外でも存在感を発揮! 個性豊かな“黄金旅程”の血 » ページ 9
GoldShip
第56回宝塚記念に出走する時のゴールドシップ

2位 ゴールドシップ(13億9,776万円)

 日本競馬史において、これほどファンをやきもきさせた気まぐれな競走馬は、ゴールドシップの他にはいないだろう。

 そんなゴールドシップは、3歳初戦の共同通信杯で重賞初制覇を飾ると、皐月賞へと駒を進める。各馬が荒れた内馬場を嫌って外へ持ち出す中、ゴールドシップは果敢に内を突き、荒れた馬場をものともせずに抜け出して快勝。クラシック初戴冠を果たした。

 二冠目を狙った日本ダービーでは、大外から追い込むも届かず5着に敗退。しかし、三冠目の菊花賞では直線で後続を寄せ付けず、皐月賞に続くクラシック二冠目を獲得した。世代の頂点に立ったゴールドシップは、さらに有馬記念へと挑戦。古馬相手にも怯まず、大外から豪快に差し切って勝利を収めた。この年はG1・3勝を含む6戦5勝で、約5億8000万円の本賞金を獲得した。

 さらなる飛躍を狙った4歳シーズン。しかし、ここから”気まぐれゴルシ”が本領発揮。断然人気に支持されながらもあっさり敗れることが増え、G1勝利は宝塚記念のみ。不完全燃焼の一年となったが、それでも約2億5000万円を獲得した。

 5歳シーズン、阪神大賞典を連覇するも、天皇賞(春)では2番人気に推されながら7着に沈んだ。だが、宝塚記念では再び豪快な走りを見せ、連覇を達成。秋は凱旋門賞に挑戦するも14着と大敗し、帰国後の有馬記念も3着に終わった。それでもG1・1勝を含む約2億7000万円を稼ぎ、5歳シーズンを終えた。

 6歳となったゴールドシップは、まず阪神大賞典で前人未到の3連覇を達成。そして本番の天皇賞(春)を迎えた。レースでは、後方からのロングスパートで後続を振り切り、3度目の挑戦でついに春の盾を手にした。

 しかし、3連覇をかけた宝塚記念では、スタート直後にファンの歓声が悲鳴に変わる。ゲートの中で立ち上がり、大きく出遅れてしまったゴールドシップは、その後もリズムを取り戻せず15着に大敗。秋のジャパンカップ、有馬記念も精彩を欠き、そのままこの年限りで引退した。

 勝つ時は豪快に勝ち、負ける時はあっさりと負ける。そんな気まぐれな走りでファンを魅了し続けたゴールドシップは、生涯獲得賞金13億円超を記録。数字以上に競馬ファンの記憶に深く刻まれている競走馬の一頭だろう。

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10