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3位 ナイスネイチャ(6億2358万5600円)
性別:牡馬
戦績:41戦7勝 [7-6-8-20]
主な勝ち鞍:94年高松宮杯(G2)、91年鳴尾記念(G2)、91年京都新聞杯(G2)
さすがは“ブロンズコレクター”というべきか、ナイスネイチャが第3位にランクインした。
ナイスネイチャは、有馬記念で3年連続3着という唯一無二の記録を持ち、重賞で2、3着に入ること11回。善戦マンぶりで人気を集め、引退後もファンが牧場に訪れるほどの愛される存在となった。
3歳時にはG2京都新聞杯や鳴尾記念、G3小倉記念を制し、2億円以上を獲得。当時は、後に“ブロンズコレクター”と呼ばれる馬になるとは誰も想像しなかった。しかし、その片鱗は1991年の有馬記念(3着)からすでに始まっていたのだ。
4歳秋の毎日王冠で復帰し3着に敗れると、天皇賞(秋)では4着、マイルCSでは3着となりあと一歩のレースが続いた。そして、暮れの大一番・有馬記念でも3着に惜敗する。年が明けて5歳となったナイスネイチャに、今度こその期待が高まり単勝1番人気に推されたG2日経新春杯でも2着に敗れた。
続くG2阪神大賞典は、デビューから手綱をとり続け、ナイスネイチャとともに奮闘してきた主戦の松永昌博騎手が負傷していたこともあり、剛腕ジョッキーとして実績のあった南井克巳が起用された。
単勝1.9倍の1番人気の支持を集めたが、中団追走から徐々に進出し、直線で抜け出しを図るも、0秒2差及ばずまたも3着に惜敗。陣営はもちろん、競馬ファンの間でも「南井でも勝てないのか……」というため息が漏れた。
この一戦のみで主戦の松永昌博騎手に戻ったナイスネイチャは、どのレースでも自分の持てる力を懸命に発揮し続ける。この後は1番人気の支持を集めることはなかったが、G2産経大阪杯で2年連続の2着。6歳となり、G1天皇賞(春)、宝塚記念でも連続4着に好走はするも、勝ち切れないもどかしいレースが続いた。しかし単勝オッズ8.5倍の5番人気に落ち着いたG2高松宮杯で、実に約2年7か月ぶりに勝利の美酒を味わい、重賞4勝目を飾った。6歳は重賞制覇を含め、1億円以上を獲得した。
その年の有馬記念では、4年連続の3着になるかという“珍偉業”に注目が集まったが、新世代の最強三冠馬ナリタブライアンや怪物牝馬ヒシアマゾンら強敵を前に、力を出し尽くした結果は5着だった。
ナイスネイチャの生涯で稼ぎ出した賞金は約6億円にのぼる。この愛すべき“善戦マン”の記憶に残る走りは、今も競馬ファンの間で語り草となっている。