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DeepBond
ディープボンド

1位 ディープボンド(7億6781万5,800円)

性別:牡馬
戦績:31戦5勝 [5-6-3-17]
主な勝ち鞍:21、22年阪神大賞典(G2)、21年フォワ賞(G2)、京都新聞杯(G2)

 第1位は、2位のキョウトシチーに1億円以上の差をつけた、ディープボンドとなった。

 名馬キズナの初年度産駒にあたり、母がキングヘイロー産駒のゼフィランサスという血統の青鹿毛馬は、2017年2月に北海道新冠町の村田牧場で生を受けた。2018年の北海道セレクションセールにて、1650万円(税抜)で父キズナと同じオーナーの前田晋二氏によって落札された。

 3歳時からG2京都新聞杯を勝ち、続く日本ダービーでも5着に入るなど早くから活躍していたディープボンドであったが、G1にはどうしても手が届かなかった。

 4歳となり、21年のG2阪神大賞典を5馬身差で圧勝するなど、古馬となってさらに力をつけたディープボンド。続くG1天皇賞(春)でも2着に好走すると、その無尽蔵のスタミナを買われ、秋には凱旋門賞制覇を目指しフランス遠征を敢行した。

 前哨戦のG2フォワ賞を1馬身半差で逃げ切り、本番への期待は高まった。しかし凱旋門賞では、パリロンシャンは重馬場となり、得意のスタミナ勝負に持ち込めず、結果は14着とシンガリ負けを喫した。その中でも、4歳までに重賞3勝、G1で2着が2回あり、3億円以上を獲得した。

 帰国後も悲願のG1タイトル獲得を目指したが、同年末の有馬記念で2着、翌22年も阪神大賞典を連覇した後に1番人気で臨んだ天皇賞(春)でも2着と、あと僅かのところで勝ち切ることができなかった。

 獲得した重賞タイトルは、阪神大賞典2回、京都新聞杯、フォワ賞のG2ばかりを4勝。引退までに稼ぎ出した賞金額は7億円を超えた。

 結局G1に届きそうで届かなかったディープボンドは、昨年の有馬記念13着を最後に競走馬登録を抹消した。今後は誘導馬となる予定の京都競馬場で、いつまでも多くの競馬ファンを見守ってくれることであろう。ディープボンドを略した「プボ」というあだ名は、これからもSNSで目にすることができるに違いない。

【了】

(文●TOM

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