
⑤ポエティックフレア
父:Dawn Approach
母:Maria Lee
母父:ロックオブジブラルタル
生国:アイルランド
通算成績:11戦5勝【5-3-1-2】
主な勝ち鞍:英2000ギニー(2021年)
繋養先:社台SS
種付け料:プライベート(2025年度)
最後の1頭には、アイルランド産馬のポエティックフレアを挙げたい。現役時代は、欧州で芝のマイルG1を2勝。英2000ギニーでは、父のドーンアプローチとの父仔制覇を達成した。さらには、母父のロックオブジブラルタルも英2000ギニーを制しているという、生粋の芝のマイラー血統である。
欧州血統だと重いと思われがちだが、スピードがあって動きが素軽く、切れ味もあるという高評価を受け、鳴り物入りで社台SS入り。初年度の種付け料は600万円に設定され、種付け頭数も108頭が集まったが、登録頭数はわずかに37頭。この受胎率の低さから、2年目は種付け頭数が66頭、登録頭数が19頭とさらに激減。3年目からは、種付け料もプライベートとなってしまった。
やはり、受胎率が低いと繁殖牝馬が集まらないのは仕方のないことであるが、それは産駒の能力とは関係のないこと。37頭の初年度産駒から活躍馬が出てくれば、多少のリスクを負ってでも種付け頭数が増えてくる可能性がないとは言い切れない。
産駒の傾向としては、やはり芝のマイル辺りが活躍の中心となってくることが予想され、3歳クラシックの英2000ギニー血統であるからして、ある程度早い段階からの活躍も見込めそう。
中でも注目は、母も芝のマイル〜中距離を主戦場として3勝を挙げる活躍を見せた、インヘリットデールの2023。父の評価を再び高騰させるような活躍を期待している。
今回取り上げた5頭以外にも、ダノンキングリーのところで少し触れたダノンスマッシュやダノンプレミアム、快速馬マテラスカイなどが新種牡馬としてスタンバイ。昨年の新種牡馬リーディングであるサートゥルナーリアや、僅差の2位ながら、インパクトはそれ以上のものを残したナダルを超えるような結果を残すことができるか、今から楽しみである。
【了】
(文●中西友馬)