![Dinan](https://keibachannel.jp/wp-content/uploads/2025/02/Dinan_kettouhyou.png)
⑤ディナン
性別:牡馬
生年月日:2022年4月2日
馬主:(有)シルクレーシング
毛色:鹿毛
馬名の由来:フランスの都市名。母名より連想
最後に取り上げるのは、今回唯一の未出走馬となるディナン。父は4戦4勝でアーカンソーダービーを制した新種牡馬ナダル、母は愛知杯2着の実績があるサンソヴールという血統である。父ナダルの初年度産駒の活躍は、今さら言わずもがな。新種牡馬リーディングこそサートゥルナーリアに僅差で敗れたが、初年度のインパクトでは明らかに上回る、鮮烈なルーキーイヤーであった。
産駒の特徴としては、初年度にJRAで挙げた30勝のうち、27勝がダートという、圧倒的なダート血統。そのため、地方競馬での活躍もかなり目立っていた。母サンソヴールも愛知杯2着と芝で実績を残していた馬だが、園田でも3勝を挙げており、その父はダート馬も数多く輩出してきたキングカメハメハ。さらには産駒のクールミラボーは、ダートで4勝を挙げてOP入りしており、その弟となるディナンもダート馬である可能性が高そう。
そして実際、昨夏に福永厩舎へと入厩したディナンは、10月京都のダート1800mでのデビューを予定していた。調教では、先述したアスクセクシーモアやスライビングロードに先着。さらには、1週前追い切りでは古馬3勝クラスのサトノアポロンにも先着するなど、デビュー前の2歳馬としては抜群の動きを見せていたが、歩様に乱れが出て回避が決定。
現時点で帰厩のメドは立っていないみたいであるが、エンジンの出力に馬体が追いついてくれば、ダートでの活躍は間違いないだろうと思える好素材。今年だけでなく、長い目で見ていきたい馬である。個人的にもデビューを楽しみにしているが、シルクレーシング所有であるため、会員の皆さまはより首を長くして待っていることであろう。
今回紹介した5頭以外にも、既に重賞勝ちを収めているランフォーヴァウや、新馬戦の好時計勝ちから一度芝でも見てみたいマリブオレンジなど、素質馬が揃う福永厩舎。もちろん3歳馬だけでなく、古馬勢や夏以降にデビューを果たす2歳馬にも、大きな期待がかかる。注目の集まる中での開業となった昨年以上のインパクトを残すことができるか、今年の福永厩舎を楽しみに見ていきたい。
【了】
(文●中西友馬)