
7位 ドゥラメンテ(6億6,106万円)
キングカメハメハに初めて日本ダービーをもたらしたドゥラメンテ。母はアドマイヤグルーヴ、祖母エアグルーヴ、曾祖母ダイナカールと母子3代でG1を制覇した、日本競馬を代表する名門ファミリーである。
ドゥラメンテは期待通りの成長をみせる。3歳初戦の条件戦を5馬身差で圧勝すると、次の共同通信杯で2着に入り賞金を加算させ、皐月賞のゲートにたどり着いた。
皐月賞では3番人気に支持され、レースは後方からの展開に。4コーナーで内から大外へ大きく斜行するアクシデントがあったものの、落ち着いて体勢を立て直すと、直線で強烈な末脚を発揮。早めに先頭に立ったリアルスティールを交わし、見事に優勝。これにより母子四代でのG1制覇を達成するとともに、第一冠を手にした。
続く日本ダービーでは単勝1.9倍の1番人気に支持され、前走の大きな斜行の影響で折り合いが懸念されていたが、道中は中団で落ち着いた走りを見せる。そして直線、坂の途中から一気に先頭へ立ち、迫る後続を寄せ付けずにゴールイン。これにより、春の二冠達成と父キングカメハメハとの父子ダービー制覇を成し遂げた。
その後、牧場で骨折が判明し、クラシック三冠や凱旋門賞挑戦のプランは白紙となった。しかしこの年はクラシック二冠を制し、獲得賞金は約3億5000万円を手にした。
約9か月ぶりに復帰した中山記念では、休養明けながらも完勝。そして迎えた初の海外遠征、ドバイシーマクラシックでは、馬場入場後に落鉄するアクシデントがありながらも2着と健闘し、その実力を世界に示した。
帰国後は宝塚記念に出走。同期で天皇賞(春)を勝利したキタサンブラックを抑え、単勝1.9倍の1番人気に支持された。直線で外から鋭く伸びたドゥラメンテだったが、先に抜けたマリアライトにクビ差及ばず2着に敗れた。
レース直後、ドゥラメンテに再び故障が判明。そのまま無念の引退を迎えることとなった。
9戦という短いキャリアながら、総獲得賞金は6億円を突破。5勝、2着4回と、一度も連対を外さない完璧に近い成績を残した。競走馬としての時間は短かったが、その圧倒的な強さは今もなお競馬ファンの記憶に深く刻まれている。