HOME » コラム » 5選 » 【フェブラリーS名勝負 5選】ダート馬たちの大目標! 競馬史に残る“砂の激闘”をピックアップ » ページ 4
NonkonoYume
第35回フェブラリーSを勝ったときのノンコノユメ

④2018年(勝ち馬ノンコノユメ)

 コパノリッキーが現役を引退した直後となる、2018年のフェブラリーステークス。

 1番人気となっていたのは、前年覇者の5歳馬ゴールドドリーム。前年のフェブラリーステークス勝利後は、海外遠征と地方の砂が合わずに敗戦を続けたが、評価を落としたチャンピオンズCを8番人気で勝利。コパノリッキーに続く、史上2頭目のフェブラリーステークス連覇達成に挑戦していた。

 続く2番人気は、前出チャンピオンズCでゴールドドリームの2着だった、6歳馬テイエムジンソク。そのチャンピオンズCでは、G1初挑戦にも関わらず1番人気の支持を集める存在であった。その後は前哨戦の東海Sを制し、ゴールドドリームへのリベンジに燃えていた。この2頭が単勝オッズ2.1倍と3.7倍の支持を集めて、発走を迎えた。

 レースは、主導権争いで少し競り合いがあったものの、最内枠を利してニシケンモノノフがハナを切る。テイエムジンソクは好位の外めを追走し、ゴールドドリームは中団やや後方よりの外から進めていた。前半の800mは、メイショウボーラーの時と同じ45秒8。この日が良馬場であることを考えると、メイショウボーラー以上のハイラップを刻んでいた。そのため馬群はかなり縦長の隊列で進み、4角を回って最後の直線へと向かう。

 直線に入ると、2番手から先頭へと立ったケイティブレイブを、テイエムジンソクが追いかける形となったが、それらの争いを残り300mあたりで外から一気に交わし切ったのがゴールドドリーム。このまま連覇達成かと思われたが、ハイペースを早めに先頭に立ったぶん若干脚いろが鈍ったところに、内からインカンテーション、外からノンコノユメが襲いかかる。馬場の真ん中で繰り広げられた3頭による叩き合いは、最後にグイッと前に出た外のノンコノユメに軍配。クビ差の2着にゴールドドリームが入り、さらにクビ差でインカンテーションが続いた。

 勝ったノンコノユメは、3歳時のジャパンダートダービーに続くG1級2勝目。JRAのG1は初制覇となった。

 ノンコノユメはその後、なかなか勝ち星に恵まれなかったが、翌年に大井へと移籍を果たすと、サンタアニタトロフィーで1年5ヶ月ぶりの勝利。その後も大井の地で活躍を見せ、地方交流競走ではJRA勢ともしのぎを削った。10歳まで息の長い活躍を続け、競馬ファンから愛された馬でもあった。

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