【フェブラリーS名勝負 5選】ダート馬たちの大目標! 競馬史に残る“砂の激闘”をピックアップ
JRAで行われる1年で一番最初のG1であり、JRAに2つしかないダートG1のひとつであるフェブラリーS。近年は海外遠征などの選択肢も増え、好メンバーが集まりにくいというが、それでもダート馬にとって1年の大目標であることに変わりはない。今回はそんなフェブラリーSの歴史から、5つのレースをピックアップして紹介する。
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①1999年(勝ち馬メイセイオペラ)
最初に取り上げるのは、1999年のフェブラリーステークス。G1に格上げとなって3年目となるこの年のフェブラリーステークスは、歴史に残る一戦となった。
この年は、戦前から本命馬不在の大混戦。単勝人気は6頭が単勝10倍を切る人気に推されていた。その中でも単勝1番人気はワシントンカラー。前年の4着馬で、前哨戦のガーネットSも快勝。ただ短距離志向が強く、マイル戦での勝ち鞍はなかった。
僅差の2番人気は岩手競馬所属のメイセイオペラ。前年の南部杯では地元の雄としてJRA勢を迎え撃ち、3馬身差の完勝。船橋のアブクマポーロとともに、この時代の地方競馬を引っ張る存在であった。さらに僅差の3番人気はオースミジェット。こちらは前出2頭と同じ6歳(現5歳)ながら、前走の平安Sで重賞初制覇を果たしたばかりの新興勢力。かなりタイトなローテーションではあったが、勢いは一番であった。拮抗したオッズの中でも、この3頭が上位人気を固めて発走を迎えた。
レースは、好ダッシュを決めたキョウエイマーチがハナを切り、メイセイオペラは好位を追走。それを見るように、オースミジェットとワシントンカラーも好位の後ろから進める形。人気3頭はほとんど同じような位置どりとなった。すんなりと隊列が定まったこともあり、ペースは平均やや遅め。そのまま4角を回り、最後の直線へと向かう。
直線に入っても逃げ粘るキョウエイマーチに対して、馬群の外へと出したメイセイオペラが襲いかかり、残り200mで先頭へと抜け出す。ワシントンカラーはキョウエイマーチのさらに内、内ラチ沿いを選択するがキョウエイマーチをなかなか交わせない。オースミジェットはメイセイオペラを追うようにさらに外へと持ち出したが、メイセイオペラに引き離されてしまう。最後は馬群の中からエムアイブランとタイキシャーロックが併せ馬の形で追い込んでくるも、2着争いまで。メイセイオペラが後続に2馬身の差をつけて勝利。2着にエムアイブランが入り、クビ差の3着がタイキシャーロックとなった。
勝ったメイセイオペラは、地方所属馬として史上初となる、JRAG1制覇を達成。25年以上が経った2025年現在でも、この快挙はメイセイオペラただ1頭のみの記録である。