HOME » コラム » 5選 » 【伝説の新馬戦 5選】これは運命のいたずらか。後の重賞馬が揃った超ハイレベルなデビュー戦 » ページ 4
Unrivaled
1着アンライバルド(写真左)、2着リーチザクラウン(写真中央)、3着ブエナビスタ(写真右)

①アンライバルド(2008年10月26日、京都・芝1800m)

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1着 アンライバルド (2009年スプリングS、2009年皐月賞)
2着 リーチザクラウン(2009年東京優駿2着、2010年読売マイラーズC1着)
3着 ブエナビスタ(2008年阪神JF、2009年桜花賞、優駿牝馬、2010年ヴィクトリアマイル、2010年天皇賞・秋、2011年ジャパンカップ)
4着 スリーロールス(2009年菊花賞)
5着 エーシンビートロン(2014年サマーチャンピオン)
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 本来、「伝説の新馬戦」として真っ先に挙げるべきなのは、2008年菊花賞の日に行われたこのレースだろう。

 単勝2.3倍の1番人気に支持されたのは、のちにG1を6勝する名牝ブエナビスタ。ほとんど差のない2.7倍の2番人気はリーチザクラウンで、後にG2マイラーズCとG3きさらぎ賞を制し、2009年のG1日本ダービーでも2着に好走した。

 そして、7.6倍の3番人気に推されたのが、このレースを制したアンライバルド。翌年、若駒Sから3連勝を飾り、牡馬クラシック第1弾・皐月賞を制することとなる。

 レースは、単勝7.8倍の4番人気エイシンビートロンがスローペースで逃げる展開に。直線の瞬発力勝負では、好位から進めたアンライバルドが力強い伸び脚を見せ、残り200m手前で先頭に立つと、ラスト1ハロンを11秒0で押し切った。2着は中団後方から追い込んだリーチザクラウン、3着には上がり最速の末脚を繰り出したブエナビスタが入った。

 さらに、4着には中団からインを突いて末脚を伸ばしたスリーロールスが食い込んだ。49.7倍の8番人気と伏兵扱いだったが、翌年の秋にはG1菊花賞を制覇し、歴史に名を刻むことになる。

 こうして、皐月賞馬アンライバルド、桜花賞・オークスを含むG1・6勝のブエナビスタ、そして菊花賞馬スリーロールスと、3頭のG1馬を輩出した伝説の一戦となった。

 さらに、5着に逃げ粘ったエイシンビートロンも2014年にダート交流重賞サマーチャンピオン(Jpn3)を制覇。結果として、この新馬戦の上位5頭はすべてグレードレースの勝ち馬となり、そのうち3頭がG1タイトルを手にした。加えて、10着までが中央競馬で勝ち上がり、唯一勝ち上がれなかった馬も地方で勝利。まさに「伝説」の名にふさわしい新馬戦であった。

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