
2位 リスグラシュー(12億1,720万円)
牝馬として春秋グランプリを制覇したリスグラシューは、2歳からオープンで活躍し、引退するまでに合計20戦もの重賞に出走。その内の17回で3着に入るという安定した成績を誇った。
デビュー戦ではクビ差の2着に敗れたものの、次の未勝利戦では4馬身差の圧勝。その後、引退するまですべて重賞レースで戦うこととなる。2歳ではG1を含む4戦に出走し全連対。この時点で賞金は6000万円を超えた。
3歳になっても430㎏台と小柄な馬体重なままだったが、クラシック一冠目の桜花賞で2着に入ると、ニ冠目のオークスでは5着。三冠目の秋華賞でも2着に入り、まだ成長過程にありながら、いずれも掲示板にのる堅実な走りを見せ、3歳シーズンは1億超の本賞金を獲得した。
4歳になると、東京新聞杯で久々の勝利を挙げたものの、ヴィクトリアマイルや安田記念といったG1ではあと一歩届かないレースが続いた。
しかし、秋になるとハーツクライ産駒特有の成長力に加え、飼い葉食いも良くなり、馬体重は460㎏に達した。そしてついに、エリザベス女王杯でG1初戴冠を果たす。メンバー唯一33秒台の末脚を繰り出し、鮮やかに差し切り勝ち。本賞金約1億円を獲得した。この勢いのまま挑んだ香港ヴァーズでは2着に入り、4歳シーズンは約2億8000万円稼いだ。
5歳になり、ついに本格化を迎えたリスグラシュー。2着に入った香港遠征を終え、出走した春のグランプリ宝塚記念では、2番手の位置から最後の直線、上がり最速の脚で圧勝を果たした。ここで約1億5000万円を手にした。
秋にはオーストラリアのコックスプレートでも勝利をあげ、2億2000万円を獲得。さらに引退レースとなる有馬記念では、アーモンドアイが直線で伸びあぐねる中、リスグラシューはノーステッキで5馬身差の勝利で有終の美を飾った。
5歳にして本格化したリスグラシューは、牝馬として初めて春秋グランプリ連覇を成し遂げ、5歳シーズンは合計7億円以上の賞金を獲得した。引退までに、総額12億円を超える賞金を稼ぎだした女傑は、惜しまれながらターフを去った。