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6位 ウインバリアシオン(5億7,994万円)
ウインバリアシオンの前には、常に同世代の三冠馬オルフェーヴルという大きな壁が立ちはだかった。引退までにG1タイトルを獲得することは叶わなかったが、堅実に好走を続け、最終的に総獲得賞金5億円超えを記録した。
3歳時、青葉賞を制して日本ダービーに出走。前哨戦を勝ったものの、単勝10番人気の伏兵扱いだった。しかし、レースでは最後の直線で一度は先頭に立つ力走を見せる。最終的には二冠を狙うオルフェーヴルの強襲に屈し2着に敗れたが、3着には7馬身差をつける圧巻のパフォーマンスを披露した。
秋は神戸新聞杯から始動し、ここでもオルフェーヴルの2着に入る。続く菊花賞では、直線で末脚勝負にかけたものの、またしてもオルフェーヴルの2着に敗れた。この年は青葉賞に勝ち、G1で2着2回を含む好成績を収め、約2億円の賞金を獲得した。
4歳になると、日経賞をステップに天皇賞(春)に挑戦。ラスト3ハロンで最速の脚を使うも3着に敗れたが、このレースは唯一、オルフェーヴルに先着したレースでもあった。続く宝塚記念では4着に入り、秋のG1制覇に期待がかかったが、左前浅屈腱炎を発症し長期休養を余儀なくされる。
約1年半の休養を経て迎えた復帰戦では、3着に入り健在ぶりをアピール。続く有馬記念は、宿敵オルフェーヴルの引退レースとなった。結果、8馬身差をつけられたものの2着に食い込み、この年は2戦のみの出走ながら約1億円の賞金を獲得した。
その後、7歳まで現役を続けたウインバリアシオンは、日経賞の勝利や天皇賞(春)2着などの成績を残したものの、最後までG1タイトルには手が届かなかった。しかし、それでもG1未勝利馬としては異例の総獲得賞金5億円超えを達成した偉業は、競馬のファンの心に刻まれ続けている。