京都でも成績は落ちない。特注データは?
直近の2月からは京都が開幕するので、最後に京都も予習しておこう。阪神での強さは川田騎手の最後までもたせる技術と追いっぷりのよさにある。急坂が待ち構える阪神では、残り200mでの絞り出しが大切だ。川田騎手は前半で馬の気分を整え、最後まで競走に前向きにさせ、さらに最後のひと押しができる。だから馬は辛くてもがんばってしまう。そういった意味では京都は少し違う。最後は平坦で、いかに4コーナーの下りで流れに乗れるかにかかっている。直線を惰性でしのぐか、下りに背中を押され、最後に速い脚を繰り出せるか。我慢比べの阪神とはポイントがズレる。だが、だからって川田騎手の成績が落ちるわけではない。正直、京都の成績はなんらそん色なく、川田騎手も京都に合わせた騎乗ができる。
で、コース別成績では阪神で高かったダートが少し落ちる。不思議なもので、京都では芝の成績が抜群。それも1800は勝率で4割を超え、2000も35.4%と中距離が高い。この二つはご存じだろうが、外回りと内回りでコース形態が異なる。内外の回りに関係なく、中距離でいいのは、それだけ序盤から中盤にかけての折り合い、リズムの整え方に長けているからだ。中距離はさすがにひと息では走れない。必ず息を入れ、後半にスタミナを残さないと勝てない。いかに川田騎手がリズムをつくることに長けているかがわかる。とにかく阪神と京都では得意な条件が異なる。買う側にとってこれは抑えておきたい。開催替わりは特に気をつけよう。前開催の流れのまま買わず、きっちり新しい流れをつくろう。
京都で得意な芝1800mの買いどころを。前走距離でみていくと、前走が同距離だと勝率42.9%で単勝回収値は108と高い。さらに短縮の勝率は55.6%、単勝回収値は158と跳ねる。これぐらいなら分母が少なく、ベタ買いしやすい。もちろん、多く発生しないパターンなので、見逃さないことが大前提だ。川田騎手とひと口にいっても、データは様々な角度からとれる。これを活用して、川田騎手のなかでも、確率、回収値の高いゾーンを探し、馬券にいかすことが肝になる。
【了】
(文●勝木淳)
【関連記事】
・川田将雅(かわだ ゆうが)プロフィール・国内G1競走勝利/騎手データベース
・【騎手マニュアル】ポツンはあるが……「意外と付き合いやすい」横山典弘の買いどころは?
・【騎手マニュアル】「レジェンドを支える人」から見る、武豊騎手の狙いどころは?