フォーエバーヤング、シンエンペラーに続け! 矢作厩舎で注目の「明け3歳馬」5選
開催最終日となる12月28日までもつれこんだ、2024年のJRA調教師リーディング争い。この争いを最終的に2着数の差で制し、2年ぶり5度目のJRAリーディングを獲得したのが、矢作芳人調教師。そんな矢作厩舎には、フォーエバーヤングやシンエンペラーなどの現エース級はもちろん、次世代のエース候補となる馬たちも多数在籍している。今回はその中から、今年の活躍が期待される明け3歳馬を、5頭ピックアップして紹介する。
①アメリカンステージ
父:Into Mischief
母:Bonita Mia
母父:Warrior’s Reward
性別:牡馬
生年月日:2022年5月11日
馬主:(株)吉澤ホールディングス
戦績:6戦3勝 [3-2-1-0]
主な戦績:中京2歳S(OP)
最初に取り上げるのは、厩舎の偉大な先輩フォーエバーヤングに続いて、海外挑戦が表明されているアメリカンステージ。アメリカンステージは、その名の通りに米国産まれの外国産馬。キーンランドセプテンバーセールで50万ドルで取り引きされた同馬は、父が昨年まで6年連続北米リーディングサイアーに輝いているイントゥミスチーフ。母のボニータミアは未出走ながら、その姉は米G1馬カリーナミアという良血馬であった。
しかし、デビューからいずれも1番人気に支持されながら、勝ち切れずに3連敗を喫する。そんなアメリカンステージの転機となったのは、初のスプリント戦(ダート1200m)に出走した、4戦目の未勝利戦。雨の降りしきる中で、アメリカンステージはまさに水を得た魚のように躍動。
トップスタートからハナを切ると、直線に入って軽く促されただけで後続を突き放し、今までの惜敗が嘘のように、ほとんど持ったままで大差勝ち。さらに勝ちタイムは、2歳コースレコードを15年ぶりに更新する1分10秒7(不良)という芝並みの時計であった。
5戦目となる2歳1勝クラスでは、同じく前走大差勝ちを収めたフェデラーにデビュー以来初めて1番人気を譲る形となったが、レコードホルダーの意地で退けて連勝。さらにその翌週には、なんと芝の中京2歳Sでも逃げ切り勝ちを収め、3連勝で2歳シーズンを終えた。
これだけの素質馬を連闘で芝のレースに使うというのはかなり異例とも言えるが、それも3歳となってからのローテーションを見越してのもの。OP特別の中京2歳Sを勝利したことにより、レーティング106を獲得。これによって、サウジ遠征が現実味を帯びてきた。
矢作師が本線と話すリヤドダートスプリント(G2・ダート1200m)挑戦が叶えば、早くも古馬との初対戦となる。3歳馬は52キロで出走できる恩恵があるとは言え、常識で考えたらハードルはかなり高い。それでも、既に常識を覆しているこの馬なら、あっさりクリアしても不思議ないと感じさせるのが、すごいところである。