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【2024年JRA重賞単勝配当ランキングトップテン】「これは買えんわ」昨年最も荒れた重賞レースは?

text by TOM

2024年の中央競馬も数々のドラマを生み出した。ドウデュースの秋古馬2冠やレガレイラが成し遂げた3歳牝馬での有馬記念制覇など、枚挙にいとまがない。今回はその中でも「単勝高配当」を叩き出したレースに注目する。140にも及ぶJRA重賞レースで、昨年はどれほどの波乱が起こったのか。トップ10を順に振り返りたい。

10位 G3葵ステークス

PuroMagic
第7回葵Sを制した時のピューロマジック(写真左)


1着 ピューロマジック
単勝 2410円
8番人気

 未来の名スプリンターを目指す3歳馬たちが集ったG3葵ステークスが、第10位にランクインした。

 条件戦を地道に勝ち上がってきた短距離巧者が多数参戦する中、やはりオープンクラスで好走を続けてきた馬たちに人気が集まった。前走G3ファルコンSで4着に入ったナムラアトムや、オープン特別を勝ち、さらに重賞で2度馬券に絡む活躍を見せてきたオーキッドロマンスらが注目を浴びた。そして、単勝オッズ2.9倍の1番人気となったのは、G2フィリーズレビュー勝ちと桜花賞5着という実績が光るエトヴプレだった。

 スピード自慢が揃ったこのレースで抜群のスタートを決めたのは、逃げる競馬で結果を出してきた8番人気のピューロマジックだった。序盤から快足を発揮し、2番手以下を引き離す軽快なラップを刻みながら直線へ。2番手を追走した7番人気ペアポルックスや、3番手の6番人気ナナオが懸命に追いすがるも、ピューロマジックの脚色にまったく陰りは見られなかった。

 最終的に1馬身1/4の差をつけて堂々の逃げ切り勝利。タイム1分7秒1は、2018年に葵ステークスが1200mの重賞に格上げされて以降、前年のモズメイメイと並ぶレースレコードタイでの勝利だった。実績ある人気馬たちは圏外に沈み、3連単36万2410円の波乱を演出した。

 勝利したピューロマジックは、その後古馬と対戦したG3北九州記念でも韋駄天ぶりを発揮し、重賞連勝を決めた。なお、中央競馬におけるアジアエクスプレス産駒の重賞勝ちは、現在のところピューロマジックのみとなっている。

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