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SilverState
シルバーステート

④シルバーステート

主な産駒(牡馬):セイウンハーデス(七夕賞)、リカンカブール(中山金杯)、エエヤン(NZT)

 リアルスティールのさらにひとつ下の世代には、ここまで紹介した3頭のG1馬に勝るとも劣らない素質を持った馬がいた。それがシルバーステートである。

 シルバーステートのデビューは2歳の7月。単勝1番人気に支持されるも、アタマ差の2着と惜敗。勝利したのはのちにヴィクトリアマイル覇者となる、アドマイヤリードであった。中1週で挑んだ未勝利戦を好時計で圧勝したシルバーステートは、3ヶ月の休養ののち出走した黄菊賞も上がり3F32秒7と抜群の切れ味を見せて勝利。この2戦のインパクトが強く、OP勝ちもない身ながら、クラシック有力候補の呼び声も高かった。

 3歳シーズン初戦は共同通信杯で重賞初挑戦の予定が立てられていたが、年が明けてすぐに屈腱炎を発症。長期休養を余儀なくされ、クラシックへの夢は絶たれてしまう。復帰できたのは、黄菊賞から1年7ヶ月が経った4歳5月。1000万下(現2勝クラス)のオーストラリアTを逃げ切って復帰戦を飾ると、続く1600万下(現3勝クラス)の垂水Sでは、当時のコースレコードタイとなる1分44秒5でまたも逃げ切り勝ち。

 OP入りを果たしたシルバーステートは、毎日王冠で仕切り直しの重賞初挑戦を予定していたが、その調整過程で屈腱炎を再発。復帰までに時間がかかることから、現役引退が発表された。G1はおろか、重賞での実績もなかったシルバーステートだが、レースで見せたポテンシャルの高さと血統の良さが買われ、翌年から種牡馬入り。

 80万円という種付け料の安さもあり、初年度から191頭もの繁殖牝馬を集めた。すると初年度から、ウォーターナビレラが重賞勝ちを収めるなど活躍馬を輩出。その後は種付け料も徐々に上がっていき、2022年には600万円まで高騰。この年は種付け頭数も200頭の大台に乗っており、2025年デビュー組が黄金世代となる可能性は十分に考えられる。

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