③リアルスティール
主な産駒(牡馬):フォーエバーヤング(東京大賞典)、レーベンスティール(オールカマー)、チカッパ(東京盃)
ミッキーアイルのひとつ下となる、ディープインパクト産駒第5世代。この世代で活躍を見せたのが、リアルスティールであった。
2歳12月にデビューを迎えると、新馬戦を3馬身半差の快勝。さらには、出世レースとして名高い共同通信杯でもドゥラメンテ以下を完封して連勝し、一躍クラシックの有力候補に名乗りを挙げる。しかし、皐月賞トライアルのスプリングSでキタサンブラックの2着となり連勝がストップすると、続く皐月賞でも、共同通信杯で勝利したドゥラメンテにリベンジを許しての2着。ダービーではドゥラメンテからさらに水を開けられた4着に敗れ、G1タイトルには手が届かなかった。
そして迎えた3歳秋、3冠のかかる菊花賞にドゥラメンテの姿はなかった。骨折が発覚し、休養を余儀なくされたためであった。リアルスティールにとっては、ドゥラメンテ不在ならば今度こそG1タイトルを、と臨んだ菊花賞。しかし結果はまたも2着。競り負けたのは、皐月賞とダービーでは先着していたはずのキタサンブラックであった。
古馬となっての初戦は中山記念。骨折からの復帰戦を迎えたドゥラメンテとの再戦となった。しかし、リアルスティールより2キロ重い57キロを背負った骨折明けのドゥラメンテに屈し、3着に敗れた。
そんなリアルスティールが復活を果たしたのは、遠いドバイの地であった。中山記念後に、初の海外遠征となるドバイターフに出走したリアルスティールは、初コンビのムーア騎手に導かれて快勝。共同通信杯以来1年以上遠ざかっていた勝利を、悲願のG1初制覇で挙げることとなった。
帰国後もG1で善戦を続けたリアルスティールであったが、勝利には届かず現役を引退。2019年から種牡馬としての生活をスタートさせた。初年度産駒からオールパルフェとレーベンスティールという芝の重賞馬2頭を出すと、2世代目からはダートの大物フォーエバーヤングを輩出した。
芝・ダート問わずの活躍は大きなセールスポイントであり、フォーエバーヤングの出現によって今後種付け料や種付け頭数が激増することも考えられる。ドゥラメンテの早逝は惜しまれるが、同期のキタサンブラックを追いかける存在になれるか注目である。