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【ディープインパクト産駒 5選】13年連続でGⅠを制覇した“日本近代競馬の結晶”の正統後継者は?

text by 中西友馬

デビューから7戦7勝でクラシック3冠を制覇。国内での敗戦は1度のみでG1・7勝を挙げるなど、数々の偉業を成し遂げたディープインパクト。加速力が桁違いの走りは鞍上の武豊をもってして、「飛ぶ」と表現され、「日本近代競馬の結晶」とも称された。そんなディープインパクトは、種牡馬としても数多くの活躍馬を輩出した。今回は、その中から“衝撃”の継承者候補である5頭を紹介する。

Kizuna
キズナ

①キズナ

主な産駒(牡馬):ジャスティンミラノ(皐月賞)、ディープボンド(阪神大賞典)バスラットレオン(ゴドルフィンマイル)、ハギノアレグリアス(シリウスS)

 最初に取り上げるのは、ディープインパクト産駒第3世代として2012年秋にデビューを果たしたキズナだ。

 佐藤哲三騎手とのコンビでデビュー勝ちを果たすと、続く黄菊賞も連勝。いよいよ重賞挑戦の機運が高まったタイミングで、主戦の佐藤哲三騎手が落馬による大怪我を負ってしまう。そこで白羽の矢が立ったのが、武豊騎手であった。
ラジオNIKKEI杯で初コンビを組むも、人気を分け合ったエピファネイアだけでなく、伏兵バッドボーイにも差し返されてしまっての3着。デビューからの連勝はストップし、賞金加算も叶わなかった。

 翌年は皐月賞トライアルの弥生賞から指導するも、直線で前が壁になっての5着。皐月賞の優先出走権確保に失敗し、目標をダービーへと切り替える。憂さ晴らしとばかりに毎日杯と京都新聞杯を連勝し、賞金加算に成功したキズナは、ダービーの舞台へと駒を進める。

皐月賞馬ロゴタイプや、ラジオNIKKEI杯でキズナを下しているエピファネイアも出走している中、皐月賞未出走のキズナが1番人気となっていた。そして、後方から大外一気の競馬で2着のエピファネイアをねじ伏せて勝利。父ディープインパクトとの父仔制覇を達成し、2010年の落馬事故以来、低迷が続いていた鞍上の武豊騎手にも、ディープインパクト以来8年ぶりのダービータイトルをプレゼントした。

 その後、秋には凱旋門賞に挑戦して4着に健闘。古馬になってからは度重なる怪我に悩まされてG1勝利は叶わなかったが、2016年からは種牡馬としての生活がスタート。初年度から269頭もの種付け頭数を集めると、初年度産駒から、エリザベス女王杯を勝利したアカイイトを送り出した。その後もG1・3勝のソングラインや、昨年の皐月賞馬ジャスティンミラノなどのG1馬を輩出。現時点では、ディープインパクトの後継種牡馬大本命と言える活躍を見せている。

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