ハーツクライ産駒の最高傑作は? 国内唯一ディープを破った名馬の後継者5選
ハーツクライ唯一の国内G1タイトルとなった2005年の有馬記念は“衝撃的”だった。デビューから7戦7勝、単勝1.3倍と断然の支持を集めていたディープインパクトを今までの後方待機策から一転、先行策で封じ込めたのだ。2023年3月に天国へと旅立ったが、2021年に種牡馬を引退するまで、数多くの名馬を送り出してきた。今回は、その中からピックアップした後継馬候補を5頭紹介する。
①ジャスタウェイ
主な産駒(牡馬):ダノンザキッド(ホープフルS)、マスターフェンサー(名古屋GP)ヤマニンウルス(プロキオンS)
2007年に種牡馬供用が開始されたハーツクライ。その2世代目として、2011年にデビューしたのがジャスタウェイだ。ただ4歳秋までは、重賞での2着を数えること5回。なかなか勝ち切れないレースが続いており、重賞タイトルはG3のアーリントンカップのみだった。
決して目立つ戦績ではなかったこの馬が突如覚醒したのが、2013年の天皇賞(秋)。1番人気に支持された前年の3冠牝馬、ジェンティルドンナ以下を4馬身突き放す圧勝劇でG1初制覇。父にとっても、産駒初のG1タイトルをもたらした。そこからはG2中山記念、G1ドバイデューティーフリー、G1安田記念と勝利し、破竹の4連勝。G3でも勝ち切れなかった詰めの甘さが嘘のように国内外でG1勝利を果たし、ハープスター、ゴールドシップとともに、2014年のG1凱旋門賞にも挑戦した。
ハーツクライ産駒らしく古馬になってから本格化した一方、クラシックディスタンスでの活躍馬が多い産駒の中で、マイルG1の安田記念を勝つなどスピード色豊かだった同馬。2014年の有馬記念を最後に現役を引退した後は、2015年から種牡馬供用を開始。3世代目となるダノンザキッドが2020年のG1ホープフルステークスを制するなど、種牡馬としても成功を収めている。